日本水道新聞 電子版

2020年123日 (木) 版 PDF版で読む 別の日付を表示
2020年123日 (木) 版 別の日付を表示 PDF版で読む

圧着工法の技術研鑚 POLITEC、旭川市で講習会 マイクリップに追加

2020/12/03 産業 業界団体
専用工具で実技講習

 配水用ポリエチレンパイプシステム協会(POLITEC)は11月9日、旭川市水道局でスクイズオフ(圧着)工法の技術講習会を実施した。局職員や地元の管工事業者ら35人が参加し、施工手順や専用工具の使用方法、留意点等を学んだ。

 スクイズオフ工法は、ガス用ポリエチレン分野で確立済みの技術。材質の柔軟性を生かして専用の工具で管体を圧着、一時的に止水することで、漏水箇所の補修や配管の布設替え、既設管からの分岐等の工事を不断水で施工できる。施工後には「リラウンダー」と呼ばれる矯正工具で圧着部を円形に復元し、補強目的でEFソケットを電気融着する。

 実技講習では、同工法の適用口径であるφ50、75、100mmのHPPE管を使用した。漏水修繕時の施工手順に倣い、管の清掃・スクレープ、専用工具の設置と圧着、圧着部の矯正、補強用EFソケットの挿入・融着等を実施。POLITEC技術委員によるデモンストレーションの後、参加者がスムーズに施工した。

 実技前に行われた座学では、工法解説に加え、HPPE管の採用状況や耐震性の検証状況を紹介。北海道における昨年度の採用実績は204kmで過去最高を記録、都道府県別の延長では全国2番目でシェアは7.3%となった。

 耐震性については、過去の促進試験や掘上調査等の結果をもとに、地盤変状への高い追従性を示した。

 講習会の実施に当たっては、参加人数を制限するとともにマスクの着用や検温、消毒を徹底。実技講習においても、参加者を少人数のグループに分散するなど、新型コロナウイルスの感染予防に配慮した。

 冒頭あいさつした同局の田中治雄水道施設課長は、平成23年度から使用してきたφ50、75mmに加えて今年度からφ100mmでもHPPE管を採用していることに触れ、「本市では100年使用できる管路の採用で年間更新率1%を目指しており、今後もHPPE管の需要は増加する。施工時の断水回避に資するスクイズオフ工法は、計画的な管路更新を進める上で有用なものと考えている。職員にとって技術研鑚の良い機会になれば」と期待を寄せた。


この記事を見た人はこんな記事も見ています

産業の過去記事一覧

×
ようこそ、ゲストさん。
新規会員登録 ログイン 日本水道新聞 電子版について