水道管更生市場に参入 アクアインテックら4社、チューブテックス工法上市へ マイクリップに追加
協議会も設立
水道管更生市場に新たな技術、企業が参入する。管清工業、フソウ、RTIジャパンパイプソリューションズ、アクアインテックの4社は共同で、欧州発の自立管更生に対応する新工法(チューブテックス)の上市に向け、「圧力管更生チューブテックス工法協議会」を設立した。対外的活動の第一弾として、11月20日に静岡県内で事業体職員らを集め工法説明会を開催。新工法の全貌を明らかにした。
チューブテックスは欧州メーカーが開発した反転更生技術。ロシア、カナダなどの欧米諸国で普及を進めており、単年度平均(直近5年間)で水道47km、ガス管11kmほどの施工実績がある。
更生材には用途・適用圧力が異なる2種類(自立管=チューブテックスR、ライニング用途=同W)を用意している。このうちチューブテックスRについては、ガラス繊維強化フェルトの表面にPEコーティングを施した基材に熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)を含浸させた更生材を採用。適用管径はφ150~1200、適用圧力は最大1.9MPaまで対応する。強度部材であるガラス繊維については、φ500以下で1層、φ500以上で2層構造としている。出来型管理の要であるしわ発生を抑制する工夫も施している。
施工時には、更生材工場で樹脂含浸を完了した更生材を専用反転機内に納めて現場に搬入。事前に備え付けた立坑から既設管内に反転挿入する。挿入完了後、空気圧で拡径し温水・蒸気で硬化させ、最後に管口処理を施して施工が完了する。口径によるものの、延長100mかつ小口径であれば1日施工(更生工事のみ)が可能だという。
反転工法ゆえに曲管部にも自在に追従し、屈曲30度(曲率半径5Rでは90度まで)に対応する。交通量の多い車道横断管、鉄道軌道下横断管など、非開削工事が求められる条件の老朽化対策工事等で特に強みを発揮する。
水道用資機材としての安全性確認のため、第三者試験機関による浸出試験を実施し、水道水質に関する基準値への適合を確認済み。耐震性能については「水道施設耐震工法指針・解説」で示される要求性能への準拠を確認していく。
協議会コアメンバー4社の役割分担は、管清工業とフソウが施工を、RTIジャパンとアクアインテックが生産・資機材供給を担当する。
11月20日にアクアインテック横地工場(菊川市)で開催された工法説明会では、静岡県企業局、菊川市の職員ら約20人が参加。座学による技術解説の後、工場・実験場に会場を移し、樹脂含浸、反転・拡径工まで一連の施工手順を実演した。
説明会で、アクアインテックの鳥形勇夫専務取締役は「当社はもともと下水道分野で管路更生材の製造・販売を手がけていた。そのノウハウを生かせる新たな市場を模索する中、4社でタッグを組み圧力管(水道)市場に参入した。早ければ来年度にも全国的な普及展開に向け、工法協会の設立を目指したい」と意欲を見せた。