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海外水事情改善へ貢献 横浜ウォーター、パキスタン・マラウイで マイクリップに追加

 横浜ウォーターは、これまでプロジェクトを進めてきたパキスタンとマラウイにおいて、JICAが実施する水道事業に関する案件を新たに受託し、活動を開始している。

 パキスタンに対しては、JICAの「パキスタン国パンジャブ州上下水道管理能力強化プロジェクトフェーズ2」に日本テクノ、NJSとともに参加し、現地5都市の上下水道公社(5WASA)に対する支援を行う。

 5WASAでは人材育成にかかるアカデミーを立ち上げるも運営管理体制が不十分であったため、フェーズ1では研修システムの構築、講師の研修実施能力の強化等を行ってきた。しかし現場作業で必要なスキルの研修体制や、アカデミーでの研修成果を各WASAの職員に浸透させる内部研修体制の確立等が必要な状況にあるとして、パキスタン政府からフェーズ2の要請があった。現地活動に加えて本邦研修も予定する。活動期間は令和4年3月23日まで。

 マラウイ国ブランタイヤ市に対しては、JICA「マラウイ国都市給水分野に係る情報収集・確認調査」について、八千代エンジニヤリングを代表者として参加する。

 ブランタイヤ市は同国経済の中心。ブランタイヤ水公社(BWB)が給水事業を担うが、水需要量に対して給水量が不足、総支出が事業収入を上回り、持続的経営に向けて財務状況の改善が急務――などの課題がある。現状の水道システムも踏まえ、今後、詳細な財政分析や需要予測の妥当性、水収支予測、水源水質や浄水場機能等の給水サービス全体に関する基礎情報の整理、これらを踏まえた課題分析が必要となっている。

 横浜市水道局では平成26年から同市に職員を延べ20人派遣し自治体間交流を深めるとともに、水道の技術支援を継続してきた。また同国の首都リロングウェ市に対しても現在JICA「リロングウェ市無収水対策能力強化プロジェクト」を実施中で、同局および横浜ウォーターが専門家を派遣している。

 こうした経緯の中で培った知見を活用し、ブランタイヤ市における給水サービス全体の問題分析を行い、BWBに対する協力方針を検討する。あわせてマラウイ国内および国を越えた知見・経験の共有を進めていくべくサブサハラアフリカの事業体の域内連携の可能性も検討する。活動期間は令和4年1月31日まで。


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