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維持管理・予防保全に重点 JWRC、NewPipes推進委が初会合 マイクリップに追加

 水道技術研究センター(JWRC)は3月22日、管路分野の産官学共同研究「NewPipesプロジェクト」の第1回研究推進委員会を開き、これまでに検討してきた研究方針や今後の進め方について議論した。

 具体の研究は二つの研究委員会が担い、第1研究委は維持管理を見据えた「管網のスリム化」とダウンサイジングに、第2研究委は予防保全による漏水事故・震災リスクの低減に主眼を置く。研究期間は令和4年度末まで。

 NewPipes(水道の基盤強化に資する管路の構築及び情報活用に関する研究)は7代目の管路分野のプロジェクトとなる。研究推進委員会は全体の方向性を総合的に検討・評価する上位組織で、学識者7人と21事業体、参画企業15社で構成される。委員長は東京都立大学の小泉明特任教授。

 第1研究委のテーマは「人口減少下の維持管理に適する管路網強化」。水運用や維持管理方法の変化について調査した上で、それに対応できるような管網構築の手法を検討する。方向性としては、維持管理の効率化に向けて、管網形状(スリム化)や消防水利を含めた口径縮小(ダウンサイジング)の検証に取り組む。IoT等による業務効率化も検討する。

 第2研究委は「水道管路のリスク対応と付帯情報の効果的活用」をテーマに、平時における事故の抑制と、地震時における応急復旧の迅速化に着目した研究を行う。予防保全の考え方を一つのポイントとし、事故抑制に関しては蓄積データの活用による漏水事故リスクの可視化を図っていく。一方の応急復旧に関しては、管路被害予測やハザードマップ活用などのソフト対策を含めて地震への備えを検討する。

 あいさつした小泉委員長は、延べ20年に近付きつつある管路プロジェクトの歴史を踏まえ、「温故知新」の大切さに言及。これまでの成果や実績を紐解き、NewPipesに生かしていくことに期待を述べた。

 ◇   ◇

 両研究委員会を構成する学識者・事業体・企業は次の通り。

 【第1研究委】東京都立大学・小泉明(委員長)▽同・荒井康裕▽名古屋大学・平山修久▽横浜市▽大津市▽京都市▽神戸市▽さいたま市▽千葉県▽豊中市▽名古屋市▽八戸圏域(企)▽広島市▽福岡市▽クボタ▽コスモ工機▽ジオプラン・ナムテック▽東洋計器▽日本水工設計▽日之出水道機器

 【第2研究委】東京都市大学・長岡裕(委員長)▽京都大学・畑山満則▽鳥取大学・増田貴則▽川崎市▽大阪広域(企)▽香川県広域(企)▽倉敷市▽高知市▽佐世保市▽札幌市▽仙台市▽東京都▽横須賀市▽栗本鐵工所▽クボタ▽JFEエンジニアリング▽ジオ・サーチ▽東芝インフラシステムズ▽日本水工設計▽日本鋳鉄管▽日立製作所▽フジテコム▽清水合金製作所▽大成機工

 ※研究推進委の学識者は6人のほか、研究協力者として細井由彦鳥取大学理事・副学長が参画


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