ドローン事業で新会社 NJS、点検調査の展開加速 マイクリップに追加
NJSは4月27日、新たな点検調査機器として水上走行ドローン「Water Slider」を開発・実用化し、業務を受注したことを明らかにした。また、同日の取締役会で、ドローンによるインスペクション(点検)サービスに係る新会社「FINDi(ファインドアイ)」を新たに設立し、6月から事業を開始することを決議した。
NJSは平成29年4月にインフラ管理の効率化を目的とした閉鎖性空間点検調査用ドローン「Air Slider」を開発し、下水道管等の点検調査を全国で実施してきた。ドローンによる点検調査の受注実績は昨年度が9件、今年度は既に13件を数えている。
一方で技術開発も継続しており、平成29年10月にはドローン開発部を設置。これまでに国内外の数十カ所で実証試験を実施してきた。30年5月には、関係6省が主催する第2回インフラメンテナンス大賞において「下水道管路等の閉鎖性空間点検調査用ドローンに係る開発」が国土交通省特別賞を受賞した。
さらに令和元年5月には、国内外の水力発電所における鉄管向け点検事業への参入を目的に、関西電力および環境総合テクノスと業務提携を結ぶなど、技術の確立と適用分野の拡大、サービス体制の整備を図ってきた。
これらの取組みを経てドローンによる調査技術が実用段階に入ったこと、多様なインフラへの適用を確認できたことに加え、流水のある供用中の施設に対応した水面走行型の機体「Water Slider」が完成したことから、共同開発者の自律制御システム研究所(ACSL)との共同出資で新会社を設立し、事業化を加速することを決めた。
新会社はインフラ管理に関するサービス提供とともに技術開発を行っていく。事業内容は、▽上下水道、道路、橋梁、発送電、農業用排水路、工場等のインフラ管理(点検・調査・診断)に関するサービス提供▽ドローン等ロボティクスを活用したインフラ管理に関する機器の開発と販売▽インフラ管理に関するシステム開発と販売▽インフラ管理に関する技術者の養成――など。適用分野として、水道では導水管や導水トンネル、配水池、浄水場など、下水道では管路や処理場などを想定している。
新会社の役員は次の通り。
▽代表取締役社長=稲垣裕亮(NJS開発本部ドローン開発部長)▽取締役=竹田功(NJS執行役員東京総合事務所長)▽同=早川研介(ACSL取締役)▽監査役=石田純一(NJS企画広報室)