コロナ時代働き方を模索 水コン協・総会、環境変化の調査へ マイクリップに追加
全国上下水道コンサルタント協会(会長=村上雅亮NJS社長)は6月10日に第40回定時社員総会を開き、昨年度の事業・決算や今年度の事業計画・予算について報告を受けた後、役員の補選などを決議した。
第二期中期行動計画の最終年に当たる今年度は、コロナ時代の働き方や公共工事の品質確保、脱炭素化・DXといった国の重要施策への貢献などを意識し、情報の収集・提供に努めていく。役員改選では長く常務理事を務めた萩原壽氏が理事を退任し、7月1日付で田中吉之氏が後任に就いた。
水コン協は令和元年にAWSCJビジョン(2015ー2025)の第二期中期行動計画(2019ー2021)を策定し、これに基づく取組みを進めている。
総会での報告によると、昨年度はコロナ禍を踏まえた活動を展開し、働き方改革セミナーではコロナ時代の働き方に関する基調講演と会員企業の事例紹介を行った。今年度は働き方や職場環境の変化に関するアンケート調査を実施する。
事業体に対する要望・提案活動については、従来の面談方式のほか、資料送付なども併用した。内容は就業環境改善に向けた適正な工期確保やウィークリースタンス実施への協力要請などで、今年度も要望を継続する。また、例年の国土交通省下水道部・日本下水道事業団などに加え、昨年度は厚生労働省水道課とも意見交換を行った。今年度も継続開催を目指す。
歩掛に関する提案活動では、国の水道施設設計業務歩掛において、かねてから水コン協が検討に協力してきた配水池・ポンプ場更新の「基本設計」部分の改定が認められた(今年4月1日から適用)。今年度は「詳細設計」部分と、管路更新の基本設計を取り扱う。
災害関係では、昨年度中に16団体と災害時支援協定を締結し、締結団体は延べ49となった。その中には都道府県による一括協定も含まれており、市町村・一部事務組合としては延べ357団体が協定の対象となる。
会員動向としては、正会員としてウヌマ地域総研(本社=秋田市)と潮技術コンサルタント(香芝市)の2社が加入し、昨年度末時点の会員数は116社となった。
事業報告によると、昨年度における会員各社の上下水道部門の受注総額は対前年度比で1%強の増加が見込まれている。あいさつした村上会長は「着実に業務領域が拡大し、仕事のボリュームも増加している状況」だと総括。「厳しい情勢の中、コンサルタントの役割はますます大きくなると考えている。引き続き上下水道事業を支え、地域に貢献していきたい」と話した。
田中氏が常務に
決議事項は令和2年度計算書類の承認と役員選任の2題。役員選任は理事3名の辞任による補選で、新たに日本水道協会工務部長の田村聡志氏、日本下水道施設管理業協会副会長の伊藤道夫氏、産業廃棄物処理事業振興財団参与・事務局長(当時)の田中吉之氏がそれぞれ理事に就任した。任期は前任者から引き継ぐ形で、来年度の提示社員総会終結までとなる。
このうち田中氏は、6月30日付で萩原壽常務理事が理事職を辞任したことに伴い、7月1日付で常務理事に就任した。
【田中吉之(たなか・よしゆき)氏の略歴】近畿大学法学部卒。昭和51年厚生省入省。平成25年成田空港検疫所次長、26年産業廃棄物処理事業振興財団総務部長。同財団参与・事務局長を経て、7月1日から全国上下水道コンサルタント協会常務理事。昭和29年2月20日生まれ、兵庫県出身。
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そのほか、表彰式は中止したが、令和3年度の協会表彰受賞者が発表された。
受賞者は次の通り。
【会員表彰】《入会後30年経過》中部復建【功労賞】狩谷薫・前副会長(東京設計事務所)▽北秀文・前関西支部長(故人、三水コンサルタント)▽真鍋進・前関東支部役員(エイト日本技術開発)▽小菅剛・同(エヌ・エス・シー・エンジニアリング)▽田中亮・前関西支部役員(NJS)▽依藤弘志・同(ニュージェック)【有効賞】《上水道部門》「鉄バクテリア存在下における維持管理を考慮したステンレスタンクの設計事例」池田春樹(日本水工設計)《下水道部門》「MICS事業における汚濁負荷変動を考慮した既存水処理能力への一考察」小林空子(オリジナル設計)


