日本水道新聞 電子版

2021年85日 (木) 版 PDF版で読む 別の日付を表示
2021年85日 (木) 版 別の日付を表示 PDF版で読む

業界の枠を超え技術交流 メンテナンス・レジリエンスOSAKA、複数の専門展示会を併催 マイクリップに追加

2021/08/05 産業 製品・技術

 7月14日から3日間、プラントメンテナンスショーやインフラ検査・維持管理展、建設資材展など九つの専門展示会を同時開催する「メンテナンス・レジリエンスOSAKA2021」がインテックス大阪で開かれた。

 併催の「第13回生産システム見える化展」「第4回自動化・省人化ロボット展」とともに、製造業・建設業の生産性向上、持続可能な社会資本整備、レジリエンス向上を目指す相互の関連性を最大限に引き出し、業界の枠を超えた技術・情報交流を促進する場を提供。3日間延べ約8200人の来場者が最新の知見に触れた。

 駆け足ではあるが各展示会を周った感想をルポ形式で報告する。

プラントメンテナンスショー

 多くのプラントで施設の全面更新の遅れや老朽化が進むとともに、保守・保全管理の実務を担ってきたベテラン技術者が引退の時期を迎えており、産業事故件数は減少傾向にあるものの、重大事故は引き続き発生している。これら課題に対応するため、IoT、ビッグデータ、AIの活用で人を補完しながら安全性を維持、向上していく「スマート保安」の実用化が求められている。

 展示会では阿南電機がFRPシートがUVに触れることで硬化するスーパー補修材「ウルトラパッチ」をアピール。耐圧性能も高く、上下水道配管での豊富な実績も持つことに注目が集まっていた。

 前田シェルサービスは「配管補修テープLLFAテープ(シリコーン自己融着テープ)」および「LLFAスムース(専用補助充填パテ)」を実演で紹介。さまざまな配管からの漏れ補修と絶縁処理での活用が期待される。生産現場での困りごとはもちろん、災害時や急な事故にも対応できる製品はライフラインを守るためにも注目される分野であると感じた。

インフラ検査・維持管理展

NJSのブース

 インフラの老朽化対策に関する最新の技術・取組みを紹介し、維持管理・更新に関わるメンテナンス技術の基盤強化を図り、建設から維持管理・更新に至る一連のサイクルにおいて、将来にわたって安全で強靱なインフラを維持・確保することを目的に開催された同展示会。NJSは自律制御システム研究所(ACSL)と共同出資して設立した点検・調査サービス会社・FINDiの専用ドローン「Air Slider」の新型機などを出展した。

 NTTドコモは、360度の障害物を感知し、自律飛行が可能なドローンとデータ管理・解析プラットフォーム「docomo sky」を紹介するなど維持管理・点検分野における現在のトレンドを示した。

 空間にホログラフィック映像を投影するMRシステムで建築現場に新たな風を起こしたインフォマティクスは、遠隔臨場・変状調査ソリューション「XRoss野帳」など現場データの利活用を推し進める技術を披露した。

生産システム見える化展

 アスコは遠隔監視を10分で立ち上げ可能な後付けできるIoT「PUSHLOG」を展示。ハードウェアやクラウドシステム、ダッシュボードをセットで提供し、プログラムレスで設定ができる。

 ネクスタは複数のモジュール機能から自分に合ったモジュールを切り分けて導入し、スモールスタートを実現させるプラットフォーム「スマートF」をPRした。

 東京ファクトリーの「Proceedクラウド」は工程写真をベースとしたデジタルツール。製造情報の共有と情報データベースの構築を通じて作業効率の向上に貢献する。

 見える化は維持管理の重要な鍵を握るが、コスト面から導入に二の足を踏むケースも多い。この分野での技術の向上とともに、初期コストを減らすユーザー側に沿った試みを感じた。


この記事を見た人はこんな記事も見ています

産業の過去記事一覧

×
ようこそ、ゲストさん。
新規会員登録 ログイン 日本水道新聞 電子版について