弘前DBO建設着手 クボタらJV、安全祈願祭開く マイクリップに追加
弘前市がDBO方式で発注した「樋の口浄水場等建設事業」の工事着手を前に、設計・施工を請け負うクボタら7社のJVは8月24日、場内で安全祈願祭を行った。工事では、老朽化した既存施設の隣接地に日量3万8000㎥の浄水場を建設するほか、取水ポンプ場と増圧ポンプ場を更新・新設する。完了は令和7年度の予定で、8年度からはSPCが15年間の運転管理を実施する。
樋の口浄水場は、第2期拡張事業(~昭和43年)で建設、第3期拡張事業(~53年)で拡充された市の基幹施設。施設能力は日量6万㎥で、市全体の給水量のうちおよそ半分を担っている。水源は岩木川の表流水、浄水フローは粉末活性炭+凝集沈澱+砂ろ過。
昨年4月にスタートした樋の口浄水場等建設事業は、喫緊の課題となっていた浄水場と岩木川取水ポンプ場、常盤坂増圧ポンプ場の老朽化と耐震性不足の解決を図るもの。水需要の減少や災害時対応、効率化など、長期的な視点からコスト縮減と安定的な運転管理を考慮した結果、3施設の設計と建設工事、それらを含めた約90施設の運転管理を一括発注するDBO方式を採用した。
事業者選定は公募型プロポーザルで行われ、クボタ東北支社を代表企業とする8社グループが優先交渉権者となり、総額159億6980万円で契約した。
構成企業の役割は次の通り。
クボタ東北支社=機械、東芝インフラシステムズ東北支社=電気・運転管理、佐藤工業東北支店=土木・建築、NJS青森出張所=設計、東京設計事務所青森事務所=同、弘新建設=土木、弘南建設=建築、クボタ環境サービス東京支店=運転管理
設計・建設工事はこのうち7社によるJVが、運転管理は4社の出資によるSPCが実施する。「新樋の口浄水場」の建設では、ダウンサイジングによる効率化や紫外線処理の導入、天日乾燥床から機械脱水への排水処理の変更、地震・浸水・停電対策の強化などが従来からの変更点となる。