管工事業者の負担懸念 全管連理事会、塗料問題が話題に マイクリップに追加
JWWA規格認証品に関する神東塗料の不正問題が管工事業界に多大な影響を及ぼす中、17日に全国管工事業協同連合会の理事会と講演会が開かれ、藤川幸造会長と、講師として招かれた厚生労働省水道課の名倉良雄課長がこの問題に言及した。藤川会長は工事停止に伴う管工事業者の経営負担を憂慮し、必要に応じた支援措置の検討を求めていく意向を示した。
講演で名倉課長も言及
記者会見で塗料問題への見解を求められた藤川会長は、まず「今日でちょうど1週間水道工事が止まっており、非常に由々しき問題だと捉えている。年度末で工事が多くなる時期であり、再開に向けて早期の解決をお願いしたい」と述べた。また、不可抗力の工期延長や人件費等の増加で資金繰りに苦慮する企業が出てくる懸念があるとし、工事業者の負担に対する責任と補償や、請負代金に関する中間前払金などの措置について検討の必要性を示唆した。
こうした状況を踏まえて全管連は同日、管工事業者への支援措置を検討するよう、自民党水道事業促進議員連盟会長の田村憲久衆議院議員に強く申し入れた。【関連記事:工事停止受け、支援措置要望 全管連】田村会長からは「前例はないが、有効な措置を考えていきたい」との前向きな返答を得たという。
講演会で「最近の水道行政」をテーマに登壇した名倉課長は、冒頭から塗料問題に触れ、経緯や概要を日水協の通知に沿って説明。協会検査品への対応は技術基準省令を踏まえて進められているとした。また、「塗料名では(出荷自粛の)対象となる資機材を判断できない」との声があったことを踏まえ、業界団体の協力のもとで資機材名のリストが作成される見通しであることも明らかにした。
厚労省としては「出荷自粛が取り下げられた製品を使用する工事は順次再開してほしい」との見解を述べたほか、場合によっては工期繰越に関する調整が必要になるとの見方を示した。
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第349回理事会では、組織等の見直しや定款の一部改正など4議案を審議した。
組織等の見直しについては、昨年1月の理事会で了承を受けて具体的な検討を進めてきたもの。役員数や出資金額などを検討し、今回の理事会で最終取りまとめ案が了承された。
見直しの目的は、よりコンパクトな組織で風通しの良い議論を行い、会員・所属企業の発展につながる事業を展開すること。令和5年度の第33期から新組織でのスタートを目指し、今年6月の臨時総会で定款・規約の改正等を行う。
そのほか、全管連推薦による令和3年度の厚生労働大臣表彰(水道関係功労者)受賞者への表彰が行われた。対象は佐藤安幸副会長(北海道管工事業協同組合連合会会長、札幌市管工事業協同組合理事長、丸サ佐藤設備紹介代表取締役)と篠野義秀理事(徳島県管工事業協同組合連合会会長、徳島市指定上下水道工事店協同組合理事長、ササノ代表取締役)。