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震災教訓に強靱な施設へ ひたちなか市、新上坪浄水場が竣工 マイクリップに追加

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  • 大谷市長(左から2番目)らによるテープカット
  • 管理棟の屋上から見た施設

 ひたちなか市が東日本大震災での被災などを機に進めていた上坪浄水場の更新工事が完了し、2月17日に竣工式が開かれた。大谷明市長、堀川滋水道事業管理者をはじめとする関係者や施工者らが参加した。

 新上坪浄水場(計画処理水量3万8100㎥)は、非常用発電設備等の設置で災害に強い強靱な施設になったほか、粉末活性炭注入設備等の新設でよりおいしい水の供給が可能になった。今後は段階的に新施設での全面供給に移行していく。

活性炭注入設備など新設

 ひたちなか市内の給水は、主に那珂川の表流水を原水とする上坪浄水場のほか、那珂湊地区の地下水と茨城県の用水供給で賄っている。平成23年の東日本大震災では、上坪浄水場が被災し、約2週間の断水を余儀なくされた。この経験を踏まえ、災害等の緊急時におけるリスク分散を図るため、今後も3水源の確保が重要と位置付けている。

 旧浄水場は被災経験に加え、昭和40年の供用開始から50年以上が経過し老朽化が課題となっていた。復旧後の耐震診断等で耐震化対策が必要と判断されたことを受け、平成25年に更新の基本設計に着手し、災害に強い強靱な浄水場を新設することとした。

 更新に当たっては同一箇所での建設も視野に入れたが、用地が狭隘である上、工期の長期化が見込まれた。早急な更新が求められたことから、近隣の建設用地を取得しての移転更新を決めた。

 事業費は約120億円に上り、財源確保に際しては水道料金の値上げを実施した。上坪浄水場更新事業とともに湊系地区の工事費用も必要だったため、平成27年10月から平均18.4%の引き上げ改定を行い、その財源に充てた。

 新浄水場の特徴としては、72時間対応可能な非常用発電設備や応急給水活動エリアを設置したことで災害対応能力が向上した。浄水処理については、旧施設では一つの池で薬品注入・撹拌・沈澱処理を行う高速凝集沈澱を採用していたが、新施設は混和池・フロック形成地・凝集沈澱池に分ける横流式凝集沈澱+急速ろ過とすることで、より安定した浄水処理が可能になったという。さらに粉末活性炭・炭酸ガス注入設備を新設し、よりおいしい水の供給を図った。粉末活性炭処理は、鮭の遡上などの影響で発生する原水の臭気対策となる。

 施工は主に鈴縫工業、西野工業、熊谷組、ストウ工業、日立製作所、日立プラントサービスらが担当。設計業務はNJSと冨洋設計が務めた。

 式典であいさつした堀川管理者は、住民や工事関係者らの理解・協力に感謝を述べ、「一人ひとりの力が整って、この大事業を行えた。式典後の施設見学で施設の優れたところなど理解を深めてもらえれば」と呼びかけた。

 大谷市長は新浄水場について「災害に強く、安全安心に暮らせるまちづくりの大きな基盤が整備された」などと紹介し、「今後も一層の強靱化を図って災害に強く快適に暮らせる都市基盤の整備を進める」と意気込んだ。

 その後、テープカットや施設見学が行われた。


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