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県内初のアイスピグ 弘前市、短時間・少水量で施工 マイクリップに追加

アクリル管で汚れを確認

 弘前市で今年度、青森県内初となるアイスピグ管内洗浄工法による洗管が行われた。対象は布設から40年が経過したφ100~125mmの塩ビ管で、施工延長は1866m。口径変化と長距離洗浄に対応でき、短時間・少水量で施工可能な工法としてアイスピグ洗浄が選ばれた。

 対象の塩ビ管は昭和56~57年度にかけて布設された配水管。これまでにも排水洗管は行っていたが、令和元年度に管内カメラ調査を行い、内面付着物の状況などから何らかの工法による洗浄が必要だと判断した。

 当該区間では洗浄のための使用水量と断水時間に制約があったことから、少ない水、短い時間で施工できるアイスピグ工法を選択。洗浄業務はアイスピグ東北地域協会会員の豊産管理弘前営業所(本社=青森市、竹谷佳野社長)が受注した。

 洗浄に使用した特殊アイスシャーベットは、山形県遊佐町にある環清工業(同=酒田市、青山武社長)の製氷拠点から2台のデリバリーユニット車で運搬。4.4tを空気弁に取り付けた専用フランジから注入し、管内に形成された約360mのピグを既存管路からの送水で押し流した。注入・押し流し時の管内圧力は0.4~0.5MPa、流量は5~6L/秒。

 施工は計画通りに進み、消火栓に接続したホースからアイスピグを回収。サンプリングした特殊アイスシャーベットはこげ茶色に濁っており、さびやマンガンに起因するとみられる汚れが確認された。

 【弘前市上下水道部上水道施設課担当者の話】前提条件だった施工時間の短さと使用水量の少なさはもとより、特別な設備を追加することなく、既存設備だけで口径変化に追従できることも大きなメリットだった。今回の対象区間の下流部でも洗浄が必要だと考えており、効果を確認できたアイスピグ工法を含めて、来年度以降の業務委託を検討していく。


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