オンラインで新技術紹介 AquaーLIST、初のプレゼン開催 マイクリップに追加
水道技術研究センター(JWRC)は2月25日、オンラインで「水道施設の点検を含む維持・修繕に関する新技術の紹介」を初開催した。民間企業等による新技術事例集「AquaーLIST」掲載技術のプレゼンテーションを中心に、メンテナンスに関する厚生労働省水道課の基調講演なども行われた。登録上の参加者は約600人を数え、Zoomで参加した事業体からは多くの質問が上がっていた。
冒頭であいさつしたJWRCの安藤茂理事長は、今年度から厚労省との連携でAquaーLISTをスタートさせた背景として、水道法改正による「点検を含む維持修繕」の義務付けなどがあったことに言及。さらにJWRC事務局が事例集掲載までの流れ、HPからのアクセス方法などを紹介した。
また、掲載審査を担う新技術事例集検討委員会から長岡裕委員長(東京都市大学教授)がメッセージを寄せ、「メンバーの事業体委員の視点を生かしながら公正・適正な審査に取り組んでいる」などと委員会の役割を説明。「維持修繕は全ての水道事業に関わる日常業務であり、法改正もあった中でますますの取組みが求められる。AquaーLISTはその部分に特化したもの」とし、事業体における活用や、民間の応募を通じた内容のさらなる充実に期待を示した。
続いて厚労省水道課の藤原聖幸課長補佐が「水道事業におけるインフラメンテナンス新技術」をテーマに基調講演。法改正に伴って維持・修繕の考え方を示したガイドライン(令和元年9月公表)に触れ、「新技術の採用などによる効率的な実施が望ましい」とした上で、AquaーLISTが「それぞれの事業の特性に合わせた新技術導入のきっかけや、ハードルを下げるものとなることを期待している」と話した。また、財政支援となるIoT活用推進モデル事業について、令和4年度政府予算案での制度変更として「IoTを用いないが、事業の効率化や付加価値の高い水道サービスの実現を図るための新技術導入事業」を対象に加える見込みであることも紹介した。
民間からのプレゼンでは、同日時点で事例集に掲載されていた12の新技術を各企業・団体が発表した。
【民間の発表内容】「水道施設情報管理システム1クラウドシステムSkyScraper」NJS▽「効率的な保守・保全活動を実現する設備台帳システムを有する設備保全システム」日立製作所▽「FIC’Sクラウド監視制御システム」フソウ▽「管路漏水監視システム リークネッツ」フジテコム▽「現場点検業務のスマート化およびミクロマネジメントへの情報活用技術」メタウォーター▽「ウルトラパッチによる水管橋など配管の延命化」阿南電機▽「配水水質自動管理装置スマフロ・スマフロプラス」住友重機械エンバイロメント▽「フランジ継手用漏水補修金具フランジプロテクター」「漏水補修金具継手プロテクター・直管プロテクター」コスモ工機▽「流況監視システム」日之出水道機器▽「環境ビッグデータとAIを用いたFRACTA水道管路劣化診断技術」日本鋳鉄管▽「型式認定水中ロボットによる水道施設の調査・清掃工法」日本水中ロボット調査清掃協会