資機材安定供給への教訓に 水団連・理事会、塗料問題に言及 マイクリップに追加
日本水道工業団体連合会(会長=木股昌俊クボタ会長)は11日、第171回理事会を都内で開き、神東塗料の不適切行為による問題について事務局が見解を述べた。
同社が第三者委員会の調査結果を公表したばかりであること、日本水道協会が対応を検討中であることから、当面は状況を注視する方針だという。産業界としてはこの問題を教訓に、衛生面に一段と留意した上で、資機材の安定供給に努めるべきとの考えを示した。
事務局の説明は、3月8日に開かれた前回会合での理事からの質問に答えたもの。議案審議・報告の後、宮崎正信専務理事が水団連の対応状況として発言した。
神東塗料の問題では、同社が日本水道協会規格の認証を不適切な方法で取得した塗料、また規格に適合しない塗料を認証品と偽って出荷していたことが今年1月に発覚。多くの管路資機材メーカーが関連製品の出荷自粛を余儀なくされ、事業体や工事事業者にも大きな影響が生じた。工場検査や衛生性の確認により3月末までに出荷自粛は解除されたが、取り扱いを時限的な暫定措置としている部分があることなどから、現在も日水協が対応の検討を続けている。
宮崎専務の説明 第三者を交えた当該塗料メーカーの特別調査委員会による調査結果が4月28日に公表された。日水協は暫定措置の期間を7月末までとしており、さまざまな議論が進められている。しばらくは状況を見守っていく必要があると認識している。いずれにしても、水道水の安全・安定供給に貢献する水道産業界としては、今回の問題を教訓とし、衛生的な観点に一層の注意・関心を払いながら、関係資機材の安定的な供給に努めていくべきだろうと考えている。
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議案審議では、6月3日に第56回通常総会を招集することを決めた上で、審議事項となる令和3年度の事業報告案・決算案、理事の補充選任案などを承認した。また、総会に併せて行われる会員・個人表彰の受賞者と、任期満了に伴う顧問の委嘱を決定。顧問は引き続き川北和徳氏(元・日水協専務理事)と玉木勉氏(元・建設省下水道部長)に委嘱する。
総会表彰の受賞者は次の通り。
【感謝状】《入会20年以上》東亜ディーケーケー▽日立ハイテクソリューションズ《入会10年以上》ろ材再資源化促進協会
【表彰状】《委員10年》西澤政彦(NJS)《役員および委員の代理者》中西新二(日水コン)▽花上敬生(横河ソリューションサービス)