浄水装置で地元貢献 清水合金製作所、彦根市と貸与協定 マイクリップに追加
彦根市と清水合金製作所は8日、「災害時における浄水装置による応急給水の協力に関する協定」を締結した。大規模災害の発生時に、同社は市の要請に応じて浄水装置を無償貸与し、避難場所などでの応急給水に協力する。調印式は彦根市内の清水合金製作所本社で開かれ、和田裕行市長、小田仁志代表取締役社長らが出席。終了後には隣接する工場の見学が行われた。
調印式であいさつした和田市長は、地震のみならず大雨による断水が全国で起きていることに触れ、「浄水装置による応急給水で市民の安心が一つ加わる」と謝意を示した。これに対し小田社長は、断水時や原水高濁時に装置を提供することが「住民の皆さんの生活にも役立つし、社会への貢献が社員の誇りになる」と応え、「地元の彦根市に協力できることを大変うれしく思っている。何かあった時にはすぐに駆けつけ、何よりも重要な水の確保に貢献したい」と抱負を述べた。
彦根市からは和田市長のほか、橋本公志危機管理監、廣田進彦上下水道部長らが出席した。小田社長は協定に基づき無償貸与する緊急用浄水装置「アクアレスキュー」について、コンパクト・ムーバブルでありながら膜ろ過処理と塩素消毒を行える〝一つの浄水場〟だと説明。市側は「今後の中山間地における水供給は大きな課題」との認識を示し、アクアレスキューを含めた各種浄水装置の実績や寒冷地での使用について意見を交わした。
その後の工場見学では、浄水装置のバリエーションや、多品種少量生産とリードタイム短縮を可能にするバルブの加工・組立・塗装などの製造工程、営業活動用のキャンペーンカーを視察。和田市長は組立ラインなどに関心を持った様子だった。