変化の時 新たな支援実現へ 企業団協、倉敷市で総会 マイクリップに追加
提出問題を決議
全国水道企業団協議会(会長=吉田延雄阪神水道企業団企業長)の第67回総会が23~24日、倉敷市の倉敷アイビースクエアで開かれた。議案審議では、12題の会員提出問題を「いずれも重要な問題である」として関係当局に要望する方針を固めたほか、会務報告、今年度の事業計画案などを承認した。また、来年度の次期総会の開催担当は九州地区協議会の福岡地区水道企業団に決まった。
総会冒頭、開催地事務局の中国四国地区協議会(岡山県南部水道企業団、備南水道企業団)を代表して備南水道企業団の伊東香織企業長(倉敷市長)があいさつ。同市では平成30年7月の西日本豪雨により、真備地区のほぼ全域が水没、断水するという被害を受けた。
伊東企業長は「水が引いた後、住民の皆さまは『水が出なければ家を片付けられない』と1日も早い復旧を願っておられた。これを受けて全国各地からのご支援による応急給水の水は飲用水とする一方、厚生労働省と相談し、復旧した管路による暫定給水を清掃等のための水として供給することを認めていただいた」と振り返り、水の大切さへの思いを述べた。
続いて協議会の吉田会長は「厚労省が所管する水道行政の国土交通省と環境省への移管に際し、円滑な移管が行われるとともに、安全で安心な水の安定供給が将来にわたって確保されるように会員との連携を深めたい」などと話した。
来賓からは厚生労働省水道課の竹中英雄課長補佐(名倉良雄課長の祝辞を代読)、総務省自治財政局の橋本勝二公営企業経営室長(松本剛明総務大臣の祝辞を代読)、岡山県保健医療部の森信二次長(伊原木隆太知事の祝辞を代読)、日本水道協会の青木秀幸理事長、日本水道工業団体連合会の宮﨑正信専務理事、水道技術研究センターの安藤茂理事長が登壇し、それぞれあいさつした。
議題審議では岡山県南部水道企業団の黒田哲朗企業長が議長を務めた。会務報告によると、昨年度は第53回企業長・事務局長経営会議を書面開催し、インボイス制度の取組み状況やダム負担金、地元企業への工事発注・災害時等の連携協定、個人情報保護法改正に伴う対応などの情報を共有した。日本水道会館で開いた第99回事務委員会では、会員事業体における技術系職員の採用状況や料金改定などを調査することとし、専門委員会への付託を決めた。
今年度は、静岡県大井川広域水道企業団を開催地事務局として企業長・事務局長経営会議を9月に開くほか、例年通り役員会や事務委員会などの会議の開催、会報の発行等を行う。4月1日付で配水用ポリエチレンパイプシステム協会が賛助会員として新規入会したことも報告された。
行政説明では、厚労省の竹中課長補佐と総務省の橋本室長が今年度予算や行政移管の趣旨などの情報を提供した。また、次期総会の開催担当に決まった福岡地区水道企業団の中村貴久企業長が歓迎のあいさつに立った。24日には、西日本豪雨を受けて治水安全度の向上を目的に進められている「小田川合流点付替え工事」の現場を視察した。
総会で議決された会員提出問題12題は次の通り。
水道事業に対する財政支援の拡充および要件の緩和等▽水道施設の更新・再構築事業等に対する新たな財政支援制度の確立▽水道事業におけるIoT・新技術活用推進モデル事業の制度拡充等▽省エネルギー・再生可能エネルギー設備の導入促進に向けた柔軟な制度運用▽地方公営企業繰出制度の義務化および拡充等▽公的資金補償金免除繰上償還制度および公営企業借換債制度の復活▽水道施設の災害対策事業に対する財政支援▽水利権制度の柔軟な運用▽水源地域における関係機関の連携および行財政支援▽新規の地下水利用専用水道の揚水規制等に係る法整備▽電気料金の高騰に対する財政支援の継続・拡充等▽放射性物質濃度が基準値以下となっている浄水発生土の適正な再利用
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初の併設展示会 水団連主催、会員14者がブース出展
全国水道企業団協議会総会に伴う初の試みとして、日本水道工業団体連合会は23日、総会会場併設の展示会を開催した。会員団体・企業14者が出展し、大勢の参加者が展示会場を訪れた。
企業団協の吉田延雄会長は開催に際してのあいさつで「今後の事業運営の参考となる展示が多いと思う。ぜひお時間をとっていただき、ご興味を持ちつつ各ブースを回っていただければ」と期待を寄せた。
出展企業・団体は次の通り。
日本ダクタイル鉄管協会▽日本水道鋼管協会▽管総研▽コスモ工機▽水研▽水ing▽積水化学工業▽大成機工▽多久製作所▽東洋計器▽フジテコム▽兵神装備▽前澤工業▽森松工業


