管更生市場の創造へ フソウ・管清工業・アクアインテック、「日本水道管路更生技術協会」設立 マイクリップに追加
フソウと管清工業、アクアインテックの3社は6月28日、「日本水道管路更生技術協会」を設立した。共同開発による非開削の水道管路更生工法「ポリライナーU工法」「反転更生工法」を近く事業化し、普及活用を図っていく。同日の設立総会で8社の入会を承認し、会員数は11社となった。会長にはフソウの野村充伸取締役会長が就任した。
設立総会では、特別会員3社で協会の設立を決議した後、名称・会則・役員と8社の入会を承認した。続いて会員11社による第2回総会を開き、今年度の事業計画と予算を決定。事業体やコンサルタント会社への広報、要望に応じたデモ施工、会員の勧誘に努めていく。
ポリライナーU工法は、U字形に折りたたんだポリエチレン管を既設管内に引き込み、蒸気による加熱・加圧で円形に戻して新管を形成する更生工法。サドルやソケットの融着接合が可能で、耐内圧性能は最大1.0MPa、耐用年数は50年以上としている。
一方の反転更生工法では、硬化性樹脂を含浸させたホースを既設管内に反転挿入し、空気圧と蒸気で拡張・硬化させる。反転施工の特性上、曲がり部への対応に優れることが特徴となる。ガラス繊維強化フェルト製のホースは強度が高く、耐内圧性能は最大1.2MPa、耐用年数は50年以上を見込む。
協会としては、どちらかと言えば小口径・直管部の施工にはポリライナーU工法、中大口径管・ロングスパンの施工には反転更生工法という形での使い分けを想定しているという。
あいさつした野村会長は国内の水道管路について、きわめて大きなストックがある一方、更新率が低い水準にとどまり、老朽化が進んでいることを指摘。強靱化・耐震化を推進する政府方針もあり、「これから更新需要は一層高まるとみられるが、布設替えの難しいもの、リスクの高いものもやっていかなければならない。その意味で非開削の施工が重要になっていく」などと更生工法の必要性を強調した。
また、管清工業の長谷川健司社長が設立発起人を代表してあいさつ。「更新が追い付いていないとすれば、水道でも管更生の市場を作るチャンスがあるのでは」としつつ、「確かな技術や安全の担保がないとビジネスとして成り立たない。われわれが下水道で取り組んできたことも少しは役立つと思う。究極的には〝利用者が安心して飲める水道水〟に貢献できればいい」と意気込みを述べた。
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野村会長以外の役員と会員の内訳は次の通り。
【役員】理事=伊藤岩雄(管清工業専務取締役)、鳥形勇夫(アクアインテック専務取締役)、平尾嘉一(フソウ執行役員)▽監事=小川詔夫(伊田テクノス)▽運営委員会委員長=石塚満(アクアインテック)▽技術委員会委員長=高田淳(管清工業)▽広報委員会委員長=天崎崇(フソウ)▽事務局長=坂本博文(アクアインテック)
【会員】《特別会員》フソウ▽管清工業▽アクアインテック 《正会員》伊田テクノス(本社=東松山市)▽山隆リコム(五泉市)▽宇都宮文化センター(宇都宮市)▽東海維持管理工業(名古屋市)▽宇都宮土建工業(宇都宮市)▽林宗土木(福岡市)▽鈴与建設(静岡市)《賛助会員》日本鋳鉄管