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工水配水管でアイスピグ 福岡市、水道局使用量増を見据え  マイクリップに追加

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  • 初の本格採用に注目 
  • 高い洗浄効果を確認

 博多港周辺の工場など30の事業所に工業用水を供給する福岡市の工業用水道事業では、一部の事業所が今後使用量を増やす可能性を踏まえ、福岡市水道局が管内の特殊洗浄に取り組んでいる。令和3年度に水道管路でアイスピグ管内洗浄工法の実証実験を行い、昨年度はφ400mmの工業用配水管をおよそ900mにわたり洗浄した。

 同市の工業用水道は昭和41年に供用を開始し、需要がピークを迎えた昭和50年代の契約水量は日量1万2000~1万5000㎥で推移した。その後も事業所の数は大きく変わらなかったが、工場機能の移転や節水の取組みなどの影響で契約水量が減少。平成20年代からは日量8000㎥弱とピーク時の3分の2以下になっている。

 そうした中、ある事業所から「数千立方メートル単位で供給量の増加を要望する可能性がある」との相談を受けた。総延長27.6kmの配水管には長期の使用による堆積物があり、増量によって流速が上がった場合には流出が懸念された。

 そこで市水道局は特殊洗浄によるメンテナンスを行うこととし、令和4年度に洗浄工法を公募。その結果、福岡市管工事協同組合が業務を受託した。

 対象はφ400mmのダクタイル鋳鉄管。事業所の操業時間や道路占用許可の兼ね合いから575mと300mの2工区に分け、別日の夜間に管内洗浄を行った。

 福岡市水道局として、アイスピグ工法の本格採用はこの工業用配水管の洗浄が初めて。市では実績がなく、一昨年に水道事業の配水管で市管工事協同組合・東亜グラウト工業と実証実験を行い、工法の安全性などを確認していた。

 担当した局職員は「高い洗浄効果とともに、管の切断を伴わずに短時間で施工できる、事業所への影響が小さい工法だと再確認した」と施工を振り返る。どのようなタイミングで事業所の使用量変更があっても応じられるように、今後も状況を注視し対応を検討していくという。


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