日本水道新聞 電子版

2024年129日 (月) 版 PDF版で読む 別の日付を表示
2024年129日 (月) 版 別の日付を表示 PDF版で読む

日水協、配管技師育成へ官民連携 札幌・高松に講習会場を新設 マイクリップに追加

(左から)髙橋社長、青木理事長、角社長

FUSOグループ2社と覚書

 日本水道協会は11月26日、フソウおよびアクアパイプテックと新設会場における配水管工技能講習会の開催準備に関する覚書を交わした。同日に調印式が執り行われ、日水協の青木秀幸理事長、フソウの角尚宣社長、アクアパイプテックの髙橋敏之社長が出席した。

 日水協では、官民双方の技術者を対象に、耐震継手管の配管・接合に関する技能や知識の修得を目的とした「配水管工技能講習会」を平成13年から実施している。小口径部門の講習会は全国14会場で開催しているが、大口径部門は実技講習に広い面積を要すること等から会場の確保が難しく、開催地は東京と名古屋のみとなっている。

 一方、配管工事の担い手確保や技術継承が全国共通の課題となり、官民双方で技術者育成のニーズが高まる中、講習会場と講習回数の確保の必要性が高まっていた。

 こうした中、地方の管工事技術者育成への危機感を有するフソウおよびアクアパイプテック(いずれもFUSOグループホールディングスのグループ企業)からの提案が契機となり、会場新設の協議が始まった。

 今後、日水協ではアクアパイプテックが所有する札幌市内、フソウが所有する高松市内の施設を活用した講習の実施に向けて準備を進める。両会場での講習会は令和8年度から実施する予定。

 調印に際し、青木理事長、角社長、髙橋社長がそれぞれあいさつした。

 青木理事長は、自社研修施設を講習会場として提供することとした2社に謝意を示すとともに、札幌・高松会場が新設されることの意義を強調。全国的な管路更新率の向上が求められる中、官民双方の配水管技能者の養成は極めて重要であるとし、講習会場の拡大を通じた配水管技能者の養成加速化に意欲を示した。

 角社長は〝管をつなぐ人〟の重要性と技術者の確保・育成に対する民間企業側の危機感を示し、「私たちは世界に誇る日本の素晴らしい水道システムを次の世代につなぐ義務と責任がある。少しでも技術承継と若手技術者育成のお役に立てるよう真摯に取り組んでいく」と意気込んだ。

 髙橋社長は、大口径管の施工における技術者の技量にムラがあるとの課題を管工事現場の視点で指摘。「経験不足を改善するためにも大口径の研修が急務だ」と述べ、自社においても研修に注力する背景を説明しながら、配管工の育成と技術力向上に意欲を示した。


この記事を見た人はこんな記事も見ています

総合の過去記事一覧

×
ようこそ、ゲストさん。
新規会員登録 ログイン 日本水道新聞 電子版について