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直径2.0mの不断水分岐 横浜市、西谷浄水場再整備で マイクリップに追加

北側立坑(上流側)での不断水分岐工事

デック・大成機工が施工

 横浜市水道局は11月29日、西谷浄水場内の北側立坑(上流側)にて、φ2000mm、埋設深さ約14mの既設送配水管に不断水工法による分岐工事を行った。施工者はデックおよび大成機工。9月には東側立坑(下流側)でデックおよびコスモ工機が同口径の工事を行っている。両工事とも、元請けは大成・水ingエンジニアリング・シンフォニアテクノロジー・NJS異業種建設共同企業体。同局によれば国内最大クラスの不断水分岐工事で、市内では過去最大口径。

 同局では、耐震化や処理能力増強等を目的として西谷浄水場において大規模な再整備工事を行っており、今回は、ろ過池新設に当たり支障となる本管を影響のない位置の管へ切り替えるための分岐工事を行った。

 みなとみらい地区など市内4分の1程度の給水エリアを担っている西谷浄水場では、昭和20~40年代に整備された土木建造物の老朽化、ろ過池や配水池の耐震性不足、原水の富栄養化によってかび臭の発生傾向が高まっているといった課題がある。こういった課題の解決に向け、西谷浄水場では令和4年から大規模な再整備事業を行っている。

 今回、処理能力の増強を目的としてろ過池を新設する際に支障となるφ2000mmの既設送配水管を影響のない位置に切り替えるための不断水分岐工事が行われた。

 該当する送配水管(西谷幹線)は市内の鶴見区、神奈川区、西区、中区、保土ケ谷区方面の中心部広範囲に供給する最重要幹線であり、供給を阻害しないよう不断水工法で分岐する必要があった。

 不断水分岐工事は分岐管取付け、せん孔機設置、せん孔、蓋設置、通水という流れで進められる。北側立坑の工事では、垂直方向から管の半径相当分をせん孔する大成機工のハーフカット工法が用いられ、せん孔機を回転させながら管をくり抜く様子が公開された。上流側、下流側での分岐工事を終えたため、来年1月ごろに新設管の洗浄、2月ごろに通水を開始し、3月に切替完了となる予定。

 なお、今回の工事公開に合わせて、東側立坑(下流側)や配水池解体現場、場内建設時(大正4年)に建てられた国登録有形文化財の歴史的建造物等も報道陣に公開された。


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