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官民の創意工夫を共有 日水協北海道支部・実務発表会、表彰制度を導入 マイクリップに追加

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 日本水道協会北海道地方支部は1月30日、室蘭市内で第64回水道実務発表会を開催した。参集開催は令和元年度以来5年ぶり。道内の事業体や関連企業・団体による14編の発表が行われ、参加した約90人の関係者が知見を深めた。

 冒頭、支部長都市を代表して札幌市水道局の住友寛明給水部長があいさつ。能登半島地震の被災地で展開した同支部の応急給水・復旧活動について「多くの皆さまの力を得て無事に完遂できた」と謝意を表したほか、「将来にわたって水道事業の使命を果たすためには、常に新しい情報に接して幅広い知識を身に着け、研究を絶やさないことも重要」だとし、発表会の成果に期待した。

 開催地を代表してあいさつに立った室蘭市の和野泰始公営企業管理者は「大変貴重な機会であり、積極的な意見交換などを通じて有意義なものとしていただけたら。水道事業は老朽化対策や耐震化、収入減などへの対応が急務となっており、発表者の創意工夫が課題解決の一助となることを願っている」と述べた。

 発表14編のうち6編は、能登半島地震に係る応援活動のために開催を見送った令和5年度の発表会にエントリーされていたもの。

 また、残る令和6年度発表分については、新たな試みとして表彰制度を導入。オンライン上のフォームで聴講者による採点を実施の上、最優秀発表賞1編、優秀発表賞2編をそれぞれ選出した。

 発表内容は次の通り。

 【5年度発表分】

 「自動排水装置の冬期間における積雪寒冷地適応性評価」山本雅之(栗本鐵工所)▽「令和4年度台湾水道事業研修報告」谷佳典(小樽市)▽「配水管内水質維持管理における自動排水システムの実用性」丹野碧壱(旭川市)▽「伸縮機能付き既設管用耐震補強金具」藤村政也(大成機工)▽「水道管路の効率的な総合評価システム」岡田優(クボタ)▽「非耐震継手を耐震にさせる後付け補強金具」町田浩之(コスモ工機)

 【6年度発表分】

 《最優秀発表賞》「水電解消毒装置を用いた残留塩素濃度低下対策の検討」櫻井祐奈(札幌市)

 《優秀発表賞》「令和6年能登半島地震における札幌市水道局の活動報告」吉川明博(札幌市)▽「札幌市および仙台市における水道の災害対策―仙台市職員からみた札幌水道」渡邉卓也(札幌市)

 《その他の発表》「HPPE管施工情報管理システムの活用事例」佐伯泰典(配水用ポリエチレンパイプシステム協会)▽「水道配水用ポリエチレン管の掘上試験による発生土埋設の検証」小林空(旭川市)▽「天日乾燥床改修工事におけるICT(情報通信技術)活用事例」中村一樹(札幌市)▽「上ヶ原浄水場再整備等事業(PFI)における粒状活性炭接触池のCFD解析」森藤昭博(神鋼環境ソリューション)▽「効率的な指定給水装置工事事業者の更新手続方法」木村良幸(札幌市)

 このうち最優秀発表賞に選ばれた櫻井氏の発表は、水電解消毒装置を用いた残塩濃度低下対策の有効性について、運用中の配水池で実施した検証の結果をまとめたもの。水道水の電気分解で生成された有効塩素によって配水池内の残塩濃度が上昇し、維持放水量と経費の抑制に資することが確認できたとした。


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