〝水〟から導く地方創生 水の安保機構、シンポジウムで活発議論 マイクリップに追加
水の安全保障戦略機構は8日、「人口減少時代を生きるシンポジウム~新境地へ―水循環日本への扉を開く~」を対面・オンライン併用で開催した。
同機構は、政産官学の連携で国内外の水問題解決を目指す「チーム水・日本」の活動支援を展開している。今回のシンポジウムのテーマは「No Water,No 地方創生~何をどう変えていくのか~」。国の行政官、学識者、民間企業の役員らを迎え、持続可能な社会のあり方を探った。
冒頭、益本宇一郎内閣官房新しい地方経済・生活環境創生本部事務局参事官が「地方創生2.0 基本構想と最新情報」と題して話題提供を行った。地方創生に当たっては、若者や女性に選ばれる地方を創ることが重要であると指摘。人口減少が続く中では、事象を正面から受け止めた上で、公共サービスやインフラをどのように維持するかという課題に対し、官だけでなく民の力も最大限に生かして取り組んでいくことがポイントになるとした。また、新たな地方創生に向けては、さまざまな分野を統合し、取組みの相乗効果を高めることが重要だとした。
トークセッションでは、モデレーターに中村晋一郎名古屋大学大学院工学研究科准教授、スピーカーに西澤政彦NJS執行役員事業戦略室長、服部貴彦ONE・AQITA経営戦略室長、コメンテーターに青山アリアCB最高執行責任者を迎えて進行。地方創生に水がどのように貢献できるかを切り口に意見を交わした。
人口減少に対しては「地域企業と一緒になって地域インフラ群のマネジメントやまちづくり、社会福祉に取り組んでいけないか」「コンサルタントは人口減少を見据えながらどのように経営していくかという観点まで踏み込んだ役割を担っていかないと地域の方々から重宝されないのではないか」といった指摘がされた。また、水を中心に地方創生を具体化するために必要な取組みとしては「水をリッチに使える、流域がある、衛生的な上下水道インフラがあるというストーリーを上手く伝える」ことなどが挙がったほか、地方創生における水の役割については「(子育てをしていると)水へのアクセスは思っていた以上に都心部は限られている。夢を地方部にもっている」などの意見が交わされた。