経営改善のヒントに 宮城県DXセミナー、24社が取組み紹介 マイクリップに追加
宮城県土木部は11月7日、夢メッセみやぎ西館展示場で「宮城県水道DXセミナー」を開催した。上下水道の最新技術や知見を有する24社が出展し、同県をはじめ、東北地方の事業体職員など346人が来場し、盛況を博した。
開催の目的は、最新のDX技術やウォーターPPP等の経営改善への取組みを紹介すること。県内事業体における需要の高まりを受けて昨年初めて開いたもので、今回で2回目の開催となった。会場では24社が、出展企業ブースに加えて特設コーナーでのプレゼンテーションにより取組みを説明。新技術等の導入に向けた課題や期待される効果等を個別に相談できるブースも設けられた。
オープニングセレモニーでは、宮城県土木部の日下奈央子副部長があいさつ。厳しさを増す市町村等の経営環境を指摘した。その上で、「新技術を活用した業務効率化など、経営改善につながる取組みの推進が求められている」と強調。「この機会を最大限に活用いただければ」と呼びかけるとともに、「今後も市町村等における上下水道事業の基盤強化に向けて積極的に支援していく」と県の方針を示した。
出展企業ブース24社の事業者名と主な出展内容は以下の通り。
▽ウオールナット=水中ロボットカメラによる変状・漏水探知システム▽NJS=インフラ管理システム、点検用ドローン、ウォーターPPP対応▽荏原実業=クラウド型遠隔監視制御システム「E―Qias Cloud」▽応用地質=車載型路面下空洞調査システム「ロードビジュアライザー」▽柏原計器工業=今ある資源で実現できる再生可能スマートメーター▽管総研=パブリッククラウドで利用できる上下水道管路情報システム▽クボタ=残留塩素濃度管理システム、AI老朽度評価、維持管理・更新計画ソリューション▽ジオ・サーチ=【空洞探査・埋設管探査】地下情報を3次元で可視化▽ジャパン・インフラ・ウェイマーク=ドローンを活用した水道添架管路/水管橋点検▽ジャパン・トゥエンティワン=衛星を活用した漏水調査と最先端の維持管理技術▽東亜グラウト工業=AI・衛星を活用した水道管路インフラマネジメント▽東北電力ネットワーク=電力スマートメーターネットワークを活用した共同検針▽東洋計器=一体型超音波式スマート水道メーター「AXs」▽日本鋳鉄管=台帳作成支援ツール だいさくくん・水管橋ドローン点検▽日立製作所=日立の水道標準プラットフォーム Connective OS▽横浜市下水道管理協同組合、LDPI=洗浄調査一体型リアルタイムスクリーニング調査技術▽アジア航測=W―PPPの取組、下水道BIM/CIMとロボット点検▽ウォーターエージェンシー=WPPPや広域連携の先行事例、官民連携事業などの紹介▽管清工業=ウォーターPPPのご支援と管路包括的民間委託の事例紹介▽第一環境=共同発注に向けた効率化・費用縮減の観点からの後方支援▽日水コン=クラウド型システムを用いた管路・設備管理、新たな管×民連携モデル事業▽フジ地中情報=W―PPP事例、上下水道GIS、下水φ150ドローンの紹介▽メタウォーター=PPP事業への取組み、ウォータービジネスクラウド(WBC)▽横浜ウォーター=W―PPPへの取組み、給水装置工事電子申請システム
参加した事業体職員からは「参考になることがたくさんあり、今後の取組みに生かしていく材料を取り入れることができた」、出展事業者からは「個別相談会の実施により、事業体独自の課題をヒアリングでき、より具体的な提案が可能だった」などの感想が寄せられ、好評を得た。

