実証結果を続々披露 日水協静岡県支部、技術講習会 マイクリップに追加
日本水道協会静岡県支部は6月29日、オンライン形式で水道技術講習会を開催した。このうち静岡県企業局は水道事業における課題をスタートアップ・企業等の技術で解決を図る「静岡県ウォーターイノベーション共創支援事業」について紹介し、昨年度の受託企業が成果を報告した。
冒頭、企業局が同事業の概要を説明。昨年度は①非開削技術による埋設水道管の状態把握や補修・補強などの「水道管の保守」②点検故障履歴データベース化やAI学習を活用した故障予兆把握などの「機械・電気設備の保守」③工業用水メーターのスマート化、設備台帳システム導入、業務継承支援などの「職員業務の効率化」の三つをテーマに募集していた。
対して①はアクアインテック・管清工業・フソウの「反転更生方法およびポリライナーU工法による管更生事業」、②はM2Xの「現場にとけ込む設備保全アプリ」、③はアドックインターナショナルの「アタッチメント型AIoTカメラ設置による遠隔検針システム」をそれぞれ採択し実証した。
成果等については受託先企業から報告。
①については小規模な立坑から施工が可能で、開削工事の困難な箇所で効果を発揮する管きょ更生工法「ポリライナーU工法」「アクアリバース工法」の有効性を担当者が説明した。ポリライナーU工法では、パイロット工事で施工成立性を確認、今後は課題対応と適用条件の整理を進める段階だという。アクアリバース工法については、曲管・中大口径・開削困難箇所を対象に、実現場でのパイロット施工と実用化検証を進めていくとした。
②では企業局の於呂浄水場をフィールドに、点検記録等を一元化するクラウド型アプリを活用、検証した成果を報告。入力ミスの削減や、ペーパーレス化による紛失リスクと回覧の手間の低減、情報資産化することでの属人化防止などの利点があったとした。担当者はこの実証を足掛かりに、水道関連施設への設備保全システム導入を推進していきたいと事業展望を述べた。
③は工業用水道事業において毎月約330件の検針が発生していることを受け、企業局の指定した10台の工業用水道メーターに遠隔検針システム「RemoEyes」を取り付けて検証した。実証実験中に複数の課題が判明したものの、調光や画角の調整、職員による自律運用、通信キャリアの最適化等で対応策を講じ、大きな支障なく運用できたという。
講習会ではそのほか、POLITEC協会の塩浜裕一技術委員長も発表。能登半島地震の被害を受けて、地盤変状に対してポリエチレン管の地盤変状の吸収能力について評価・調査等を行うなど、新たな設計法の検討を進めていることを概説した。