大賞に福岡地区(企)「浸透圧発電の実用」 日水協8年度水道イノベーション賞 マイクリップに追加
広報大賞 宇都宮市「サーモン養殖でPR」/フソウ「地域防災拠点の整備」
日本水道協会は28日、令和8年度の水道イノベーション賞および広報大賞の受賞案件を公表した。イノベーション賞の大賞は、福岡地区水道企業団の「日本初!浸透圧発電の実用化」が受賞。広報大賞には、正会員部門で宇都宮市上下水道局の「『うつのみやストロベリーサーモン』の養殖による水道PR事業」、賛助会員部門でフソウの「香川発 防災拠点としての自社社屋活用 地域レジリエンス強化と水・防災意識を高める市民協働」が輝いた。
このほか特別賞には西三河5市(豊田市上下水道局、岡崎市上下水道局、安城市上下水道局、西尾市上下水道部、知立市上下水道部)、広報特別賞には小諸市上下水道課、東亜グラウト工業が選出された。
表彰式および受賞事例報告は、出島メッセ長崎で開催する8年度全国会議の初日(10月21日)に執り行われる。
水道イノベーション賞は、水道事業を取り巻く課題の克服に向けて工夫のある取組みを行う日水協正会員を表彰する制度として平成26年度に創設された。功績を讃えるとともに、受賞事例を広めることで日本の水道界が新たな取組みに着手する機運を高めることをねらいとしている。
水道イノベーション広報大賞は、正会員のみならず賛助会員にも門戸を広げて広報・広聴活動の優れた事例を表彰する。
応募総数は▽水道イノベーション賞=11件▽広報大賞=23件。選考は日水協功績者審査会メンバーと水道専門紙による選考会の議論・投票で行われた。
受賞団体と案件は次の通り。
■大賞=福岡地区水道企業団
二つの水の塩分濃度差で生じる浸透圧による浸透圧発電に取り組んだ。上下水道の未利用資源を活用した天候に左右されない安定発電を実現するシステムであること、世界での展開を視野にエネルギー問題の解決に寄与できる可能性などが高く評価された。
■広報大賞=宇都宮市上下水道局
水道水の原水と水質監視池を活用して魚の養殖を実施。水道水飲用率の向上と栃木県における新たなご当地ブランド開発による水道PR事業に取り組んだ。幅広い関係者を巻き込んだユニークさや大胆かつ独創的な発想、地元愛などが評価された。
■同=フソウ
高松市の自社施設を地域防災拠点として整備し、平時から体育館や食堂を地域に開放するフェーズフリーなどの市民協働により、地域のレジリエンス強化、水道への理解、水・防災意識の啓発を推進した。水道関連企業としてのリソースを生かして地域社会に貢献できる点などを評価した。
■特別賞=豊田市上下水道局・岡崎市上下水道局・安城市上下水道局・西尾市上下水道部・知立市上下水道部
電子申請システムを西三河5市で共同導入。コスト縮減と業務効率化を両立し、工事業者の移動負担を大幅に軽減した。水道事業体と工事事業体の双方にメリットがあるほか、下水道も含めた比較的短期間での稼働は他都市の模範となると評価した。
■広報特別賞=小諸市上下水道課
良質な水源の価値が伝わっていなかったことから、官民による協力で高校生に対する水の授業、水源ツアー、新たな商品開発等を行い、次世代の水のファンを育む取組みを実施した。地域や企業を巻き込み戦略的に広報できている点やシビックプライドの形成につながっている点などを評価した。
■同=東亜グラウト工業
AIや衛生を活用した水道技術について、社内外ステークホルダーや市民に波及した広報活動を行い、専門用語を日常的な言葉に翻訳してアニメで可視化した。「伝わる広報」の実践事例として参考になるとした。