老朽管の深刻視が増加/四国では渇水不安顕著 JWF、水の意識調査結果を公表 マイクリップに追加
フソウが特別協賛
日本水フォーラム(JWF、竹村公太郎代表理事)は7月30日、第32回(令和8年度)「水にかかわる生活意識調査」の結果を公表した。ミツカン水の文化センターが31年にわたり実施、公表してきた同調査を今回からJWFが継承した。またフソウ(工藤修社長)が特別協賛を行っている。従来の東名阪(東京圏〈埼玉・千葉・東京・神奈川〉、中京圏〈岐阜・愛知・三重〉、大阪圏〈京都・大阪・兵庫〉)を対象とした定点調査に加え、都市部と地方部での違いを明らかにするため、四国4県に対象を広げた調査も実施。水への日常的な関心や行動に変化がうかがえる結果が得られたほか、地域特性も明らかになったとしている。
調査は6月11~16日、20~60代の男女を対象にインターネットで実施。東名阪では1500人、四国では1300人から回答を得た。
調査結果の報告に当たっては、①水道は生活を支える重要な社会インフラ②水への関心や行動に変化の兆し③四国調査から見えた水への意識の特徴――の3点をトピックとして挙げた。
東名阪で、安定的な維持が重要だと思うインフラを三つまで尋ねたところ、「水道」が65.2%で最多となり、「電力」が64.1%と続いた。生活を支えるインフラとして水道を重視する意識の強さが表れた。水道を挙げた割合は年代が上がるほど高くなる傾向も見られた。
日本で深刻だと認識している水問題では、「40年を過ぎ老朽化した水道管が、全体の約25%に達している」が40.1%で最多。「知っていることはない」が30.4%、「水道料金は人口密集地域ほど安く、エリアによって料金に差がある」が27.5%と続いた。JWFでは、昨年八潮市で発生した道路陥没事故を契機に、国や自治体による調査・点検が本格化したことなどから、問題の深刻さが広く認知された可能性を指摘している。
インフラ料金の値上げに対する許容度では、今後も安定的なサービスによる快適な暮らしを得るため、値上げを受け入れやすいものについて順位を付けてもらったところ、「水道料金」を1位とした割合が49.3%で最多となった。「電気料金」が29.4%、「通信料金」が12.4%、「ガス料金」が8.9%と続いた。
一方、水への日常的な関心や行動には変化が見られた。地球温暖化に伴う気候変動を「非常に意識している」「少し意識している」とした割合は計50.5%。平成23年の65.5%から15.0ポイント低下した。5年前の令和3年の49.2%からはほぼ横ばいだったものの、長期的には危機意識が低下する傾向が表れた。
世界の水問題に関する認知でも、「世界で水道水をそのまま飲める国は、ごくわずかだと言われている」を知っている割合は51.7%と最も高かったものの、平成30年の67.1%、令和3年の61.6%から減少を続けた。反対に、「知っていることはない」は平成30年の20.9%から27.6%まで増加した。
節水についても、日常生活で「意識している」とした割合は前年の76.4%から70.9%、「行っている」とした割合は77.4%から70.4%へそれぞれ低下。いずれも性別、年代別の全属性で前年を下回った。
具体的な節水や水の再利用では、「シャワーを浴びるときは、こまめに水を止めながら浴びている」が47.9%で最多。「歯磨き中に水を出しっぱなしにしない」が46.4%と続いた。
四国4県を対象とした調査では、東名阪との比較から水に対する地域特性も浮かび上がった。水道水を10点満点で評価した平均点は7.26点となり、東名阪の7.15点を上回った。
一方、日頃不安や心配に感じていることでは、「給水制限や断水」が32.5%で最多となり、東名阪の27.2%を5ポイント以上上回った。「飲料水や生活用水の悪化」が26.9%、「特に感じない」が24.6%などと続き、JWFでは、多くの人が水不足や渇水を日常的なリスクとして捉えていることがうかがえる結果とした。
不安に感じている災害でも、「地震」の48.2%、「台風」の37.6%に次いで、「水不足(渇水)」が27.3%で3位となった。水不足(渇水)は東名阪を6.6ポイント上回ったほか、「津波」も22.7%で5位となり、東名阪の15位を大きく上回るなど地域特性が見られた。
将来の水道水に対する不安では、「特に不安はない」が37.2%で最多、「水道料金の値上げ」が32.2%と続いた一方、「貯水槽や水道管の老朽化」が25.0%、「将来的な水不足・渇水」が24.9%、「水道インフラの維持管理」が24.5%となった。特に「将来的な水不足・渇水」は東名阪では5人に1人だったのに対し、四国では4人に1人が回答した。
また、水道インフラの今後については、「安定的な水の供給維持」「施設の老朽化対策」「水道水の安全性と質の確保」「水道料金の負担感」「サービスの地域格差」「災害時の対応」の全項目で、「悪くなる」とした割合が「良くなる」を大きく上回った。この傾向は東名阪と共通したものの、四国では「悪くなる」の割合が総じて高く、「施設の老朽化対策」で7.3ポイント、「水道料金の負担感」で9.3ポイント、「サービスの地域格差」で6.2ポイント、「災害時の対応」で6.9ポイントと、それぞれ東名阪を上回った。JWFでは、インフラ整備や人口減少、過疎化など地域が抱える課題への意識が影響している可能性を指摘している。
公表に当たりメッセージを寄せた竹村代表理事は、ミツカン水の文化センターの31年にわたる取組みに深い敬意を表明するとともに、継承に当たって改めて謝意を示した。また、「水の日」が50回の節目を迎えたことに言及し、「水は生命の源であり、文化」と強調。「日本の水の文化をさらに探求し、世界に発信していくことも目指す」と意気込んだ。また同じくJWFの桑原清子チーフ・マネージャーは、「今後もこのバトンを未来へ伝えていけるよう皆さまのご支援とご協力を賜りたい」とコメントした。