コロナ禍水道経営 料金見直し1割先送り 本紙・EY調査、業務用途減少の影響大 マイクリップに追加
日本水道新聞社では、EY新日本有限責任監査法人と共同で、新型コロナ禍に伴う水道経営への影響についてアンケートを実施した。
アンケートでは、緊急事態宣言が発令された4~5月の総配水量と給水収益の状況、今年度当初予算における給水収益見込みと8月末現在での比較、各事業体の料金見直しに関する検討への影響とともに、経済対策として全国に広がった料金減免の実施状況と減免措置の財源など具体的な内容について調査した。
日本水道協会の会員のうち、末端給水事業を行う1269事業体に依頼し、525事業体(回答率41.3%)の回答を得た。
当社にてアンケートの速報値を集計したところ、約1割の事業体で新型コロナ禍の影響で実施予定および検討予定だった料金の見直しが先送りまたは取りやめとなったことが明らかとなった。
料金収入については、家庭用途は増加傾向、業務用途は減少傾向との回答が多く、都市構造、料金体系により経営への影響にばらつきが見られたが、全体的には対前年度比で減収傾向となった。
料金減免の実施については、厚生労働省が行っている調査と同程度となる約4割の事業体が実施および実施予定と回答したほか、同様に3割超の事業体が水道会計の負担で減免を行っていると回答した。また、減免を行う事業体のうち約6割が政府が補正予算で措置した新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を充当、または充当予定と回答した。
アンケートについては今後、詳細な分析を取りまとめ、改めて公表する。