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佐世保市でアイスピグ 長崎県内初 濁水に対処、低リスクが決め手に マイクリップに追加

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  • 回収口で効果を確認
  • 茶色い濁りが見られた

 佐世保市は1月から2月にかけて、長崎県内初となるアイスピグ管内洗浄工法による配水管の洗管を行った。慢性的に濁水が生じていた2区間のダクタイル鋳鉄管路(φ150、φ100mm)を対象に、合計で約1070mを洗浄したもの。供給不能リスクの回避を最優先して工法選定を行った結果、施工は滞りなく完了した。

 洗管の対象となった2区間は、昭和60年に布設されたφ150mm×約800mと昭和57年布設のφ100mm×約270m。配水流量の変化があるたびに濁水が発生し、水道局職員による排水洗管で一時的には収まるものの根本的な解決には至らず、住民からも苦情が上がっていた。

 解決には布設替えという選択肢もあったが、コスト面を考えると、法定耐用年数に達していない管路の安易な更新ははばかられた。そこで洗管工法を検討することとし、管内にピグ等が詰まり供給不能に陥るリスクを避けられる工法として、特殊アイスシャーベットで堆積物を除去するアイスピグ洗浄を選択した。

 洗浄業務はアイスピグ九州地域協会会員の東亜グラウト工業九州支店が受注し、特殊アイスシャーベットは久留米市内の製氷プラントからデリバリーユニット車で運搬した。

 2区間共通の注入口には新設した排泥口を、回収口には既設の排泥口と消火栓をそれぞれ使用。管内に形成したアイスピグは給水車からの送水で押し流した。

 回収口に到達したアイスシャーベットの茶色い濁りは徐々に濃くなり、管内の夾雑物などを押し流してきたことがうかがえた。施工中の苦情もなく、作業は予定時間通りに終了した。

 佐世保市水道局水道維持課の担当者の話 今回の対象区間以外にも濁水が慢性化しているエリアがあり、工法洗管が必要と考えている。今後も計画的な維持管理に取り組んでいく中で、アイスピグ洗浄を適切なアセットマネジメントのための一手法として活用していきたい。


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