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2022年1219日 (月) 版

秋田県内で水道初、にかほ市がアイスピグ洗浄 75mm管の付着物を除去 マイクリップに追加

汚れの排出状況を確認

 にかほ市において、秋田県内の水道事業で初となるアイスピグ管内洗浄工法による洗管が行われた。対象はφ75mmの塩ビ管、施工延長は640m。当該区間ではマンガンや錆が原因とみられる濁水が慢性的に発生しており、アイスピグ工法による夾雑物の除去を図った。洗浄後の水質は良好だという。

 対象の塩ビ管は平成12年に布設されたもの。旧仁賀保地区では以前から内面に付着したマンガンや水垢などが剥離することでの濁水に悩まされており、排水洗浄を適宜行っていたが、一時的な改善にとどまっていた。

 そこで、大がかりな設備の追加や改修が必要なく、φ75mmという小口径にも対応するアイスピグ工法の実施を決定。洗浄業務はアイスピグ東北地域協会会員の環清工業(本社=酒田市、青山武社長)が受注した。

 洗浄に使用する特殊アイスシャーベットは、同社遊佐事業所(山形県遊佐町)の製氷プラントからデリバリーユニット車で運搬した。ホースで注入口・回収口と管を接続した後、2.2tを管内に注入。管内に長さ約500mのピグを形成し、仕切弁を開けて水圧で押し流した。注入・押し流し時の管内圧力は0.1~0.4MPa、流量は2~6ℓ/秒。

 回収口から排出された特殊アイスシャーベットは茶色く濁っており、多くの夾雑物を抱き込みながら管内を進んできたことが見て取れた。サンプリングして確認すると、鉄やマンガン、シールコートを含んだ汚れが確認できた。

 排出は13分間、その後のフラッシングと水質確認は約1時間で終了。洗浄後の水から金属類はほぼ検出されなかったという。

 水道事業では秋田県内初の施工となったことから、にかほ市のほか近隣3事業体、民間企業、アイスピグ東北地域協会の会員企業などから約30人が見学に訪れた。

 工事を担当したにかほ市上下水道課職員の話

 管内の付着物等がシャーベットの汚れとして表れたので、一定の効果はあったのではないかと思う。今回は万が一のことを考慮して影響範囲の少ない末端区間で施工したが、今後はマンガンなどが悪影響を及ぼしているとみられる区間を調べた上で、定期的にこのアイスピグ工法を実施していきたいと思っている。


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