管更生で共同開発 アクアインテック・管清工業・フソウ マイクリップに追加
模擬管路で試験施工 近く協会設立
アクアインテックと管清工業、フソウの3社は、水道分野での市場創出を見据え、昨年から内圧管更生工法の共同開発に取り組んでいる。今年4月には、高密度ポリエチレンライナーを用いた「ポリライナーU工法」(仮称)の試験施工をφ150の模擬管路で実施し、工程や品質を確認した。今後は分岐・接続試験や中口径向けの工法開発とともに、技術協会の設立へ準備を進めていく。
3社は昨年4月に共同開発契約を締結し、水道管向けの更生工法の検討に着手した。ソリューション第1弾となるポリライナーはドイツの樹脂素材メーカー・レーハウ社が開発した更生工法で、更生材料には耐薬品性・耐酸性・耐摩耗性などに優れたPE100(高密度ポリエチレン管)製のライナーを使う。対象口径はφ100~250。
施工はいわゆる「引込工法」で、断面をハート形に変形させたライナーをウインチで既設管内に引き込み、蒸気による加熱・加圧で円形に戻す。さらに約30度まで冷却して形状を安定させ、管端処理を行うことで施工完了となる。
既設管内に形成した更生管は最高許容圧力1.0MPaの自立管として機能する。工事に使用するのは蒸気と圧縮空気だけで、臭気など周辺環境への影響が少ない。ライナーは二次製品のため、品質が安定していることも特徴の一つだという。
試験施工は4月17~18日、静岡県菊川市のアクアインテック本社で行われた。模擬管路には直管と直管+22.5度曲管の2種類を用意(口径はいずれもφ150)。一連の作業を行うことで、施工の準備や手順、時間、品質、出来ばえなどを確認した。
試験施工の成功を踏まえ、今後はφ150のライナーで分岐工法や融着ソケット接続の試験を計画する。中口径向けの反転形成工法の開発にも着手しており、安全性・耐震性など水道分野のニーズに適合した技術の確立に取り組んでいく。
また、対応力向上をはじめとする更生技術のさらなる改善と普及に向けて、3社は技術協会の設立に向けて準備を進めている。6月末ごろの設立を目指すという。