可搬式浄水装置が活躍、官民のネットワークで展開 能登半島地震 マイクリップに追加
能登半島地震の被災地では、安全な水の水量不足が課題となっている。こうした中、応急給水拠点として、また被災者の手洗いや洗濯、入浴等の生活用水を支えるソリューションとして、可搬式の浄水装置が注目を集めている。
■水資源機構水資源機構は2台の可搬式浄水装置を保有。処理能力は2台とも日量50㎥で、1台は二段式逆浸透膜方式、もう1台は一段式逆浸透膜方式の装置となる。同機構では、日本水道協会と災害時支援協定を締結するなど、さまざまなニーズに対応し、活用できる体制を整えている。
能登半島地震では、日水協や国土交通省等との調整の中でニーズを把握し、2台とも珠洲市内に設置することが決まった。多様な水源水質に対応し、発電機や関連資機材をパッケージで配備できる長所を生かし、野々江総合公園内にあるため池・亀ヶ谷(かめんた)池に配備し、応急給水拠点としての活用を図る。
先行して、利根導水総合事業所に配備する一段式逆浸透膜方式の装置を7日に搬入し、8日に設置作業を完了。その後、愛知用水総合管理事務所に配備する二段式逆浸透膜方式の装置を8日に搬入し、9日に設置作業を完了した。
2台ともに9日から生活用水としての供給を開始。10日には自衛隊の風呂用水などにも活用された。次亜塩素酸ナトリウムを注入して供給しており、飲用の可否に関して水道法に基づく水質検査で水質が確認できれば、飲用水としての応急給水に使用する。
■清水合金製作所清水合金製作所が製造する可搬式膜ろ過浄水装置「アクアレスキュー」が珠洲市内の避難所に設置され、生活用水を供給している。同市では、水の確保が困難な状況が依然として続いており、避難者からのニーズが高い入浴施設の設置を早期に実現するソリューションとなった。
支援は、同社をはじめとするキッツグループが災害時の緊急支援協定を結ぶ(一社)災害時緊急支援プラットフォームを通じ、被災地で活動するNGOピースウインズ・ジャパンの要請により実現した。
アクアレスキューが設置されたのは同市の中心部に立地する健康増進センター。最大で日量50㎥の処理能力を有する装置2台を5日に設置。同センターの近くを流れる二級河川・若山川から取水し、6日から稼働している。
■WOTAWOTAでは、手洗いや入浴を支援するため、同社の自律分散型水循環システム「WOTA BOX」のシャワーセットと水循環型手洗いスタンド「WOSH」を避難所等に提供するとともに、同社のSNS等を活用し、提供場所の周知を図っている。
同社では、被災自治体と連携し、支援を展開している。