災害支援向け理解深める 大阪市、HPPE管でセミナー マイクリップに追加
大阪市水道局は12月6日、局職員を対象とした技術セミナーを同局体験型研修センターで開催。配水用ポリエチレンパイプシステム協会(POLITEC)協力のもと、水道配水用ポリエチレン管(HPPE管)の特徴等について、座学と屋外での実演を通じて学んだ。
同局ではHPPE管の採用実績はなく、現時点では採用予定もないとしているが、令和6年能登半島地震等の大規模災害時の復旧支援等で必要となる技術や知見を局職員が学習・体験することを目的に開催したもの。
HPPE管は1996年の販売開始以来、中小規模の事業体を中心に採用実績を伸ばし、年間に布設される配水管の約54%(令和4年度、φ150以下)を占める。
HPPE管は軽量で、直管のみで曲げ配管を行うことができるのが大きな特徴で、地上で長尺管を接合してから掘削溝内に配置する「陸継ぎ配管」が可能なほか、急傾斜地での人力施工が可能といった施工性の高さがメリットとなっている。座学ではHPPE管の耐震性能を示す事例として、地震による断層変位や津波による洗掘によっても管路が破断せず供用を継続したケース等が紹介された。
続く実演では、HPPE管と継手を電気融着で接続する「EF接合」について、POLITECの担当者が不具合事例を参照しながら実演。また、HPPE管の切削や清掃、融着といった一連の作業を局職員も実施したほか、長尺管路を複数人で持ち上げての生曲げも体験した。さらに、管路の維持管理に資する工法として、既設管の任意の場所を工具で圧着することで一時的に水の流れを抑制する「スクイズオフ工法」の実演も行われた。

