イラクの情報収集・調査 NJS、JICAと契約締結 マイクリップに追加
NJSはこのほど、国際協力機構(JICA)から「イラク国上下水道セクターに係る情報収集・確認調査」(有償勘定技術支援)に関する業務実施契約を締結したと発表した。
イラク共和国では、度重なる戦争等によって、上下水道の施設等が荒廃・老朽化し、同施設の復旧・改修等が十分に行われていない状況にある。
うち、水道部門では、施設の更新・維持管理が不十分なため水質と給水率の低下を招き、人々の生活の質が著しく低下している。特に同国南部では、水道や電力などの公共サービスの改善・安定供給を求める抗議デモが広がるなど社会不安の要因となっており、安定的な水道水の供給が急務となっている。
また、下水道部門では、1980年代までに多くの施設が整備されたが、その後の度重なる戦争等により水道施設と同様に下水道施設においても更新・維持管理がほとんど行われておらず、下水処理場や管きょの機能が著しく低下している。この結果、未処理汚水による環境汚染、不衛生な生活環境に起因した水系伝染病の発生等の健康被害が生じており、地域住民の衛生環境の改善と水資源の管理強化の観点から、下水道施設の整備も喫緊の課題となっている。
こうした状況を踏まえ、同事業では、同国の上下水道セクターにおける国や県・市など各レベルにおける課題を特定し、それに基づいてJICAとしての協力方針を策定するため、同社が基礎情報の収集および確認調査等を実施する。
同業務における主な調査項目は次の通り。
▽調査対象地域における上水道・下水道計画の必要性と背景の確認▽新規事業候補地域の絞り込みおよび新規事業候補地域における上下水道整備計画における運営・維持管理に係る改善策の検討と提案▽上水道および下水道セクターにおける新規円借款事業および技術協力案件形成の検討に向けた今後の方針および具体策の提案▽現地再委託契約による調査(自然条件調査、水質調査、地質調査、環境社会配慮調査、社会調査)。
履行期間は、10月31日まで。