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浄水場の放流管洗浄 アイスピグ関東地域協、新潟市内で見学会 マイクリップに追加

特殊アイスシャーベットの到達状況を見る参加者

 アイスピグ関東地域協会(桑木大輔会長)は4月23日、新潟市の青山浄水場でアイスピグ管内洗浄工法のデモ洗浄見学会を開催した。同市水道局技術部浄水課、五十嵐建設工業(五十嵐豊代表取締役社長)と3者協力のもと、県内と周辺県から水道関係職員約40人が参加。雨水放流管の一部で堆積した夾雑物の除去を実演した。約20分に及ぶデモ洗浄の結果、10%弱の流量改善が見られたと報告があった。

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  • 唐沢場長
  • 鈴木会長

 冒頭、同浄水場の唐沢良紀場長は「近年、河川に放流している管が閉塞によって放流流量が減ってきている。アイスピグ洗浄で効果が出ることを期待している」とあいさつ。

 続いて、アイスピグ研究会の鈴木宏会長は「施設の経済的なメンテナンスを考える上で、当研究会が進めている洗浄工法は、これから活躍の場がますます増えてくるだろう。実際に皆さんの目で洗浄システムや洗浄内容、洗浄後の管内の夾雑物の状況などの実態をご覧いただくのが一番だと思う」と呼びかけた。

 アイスピグ洗浄は、製氷した特殊アイスシャーベット出荷後、4時間以内に洗浄を完了する必要がある。今回は、東亜グラウト工業(山口乃理夫代表取締役社長)が浦安技術センターから製氷ユニットを新潟市内に移設し、前日から製氷して洗浄が行われた。

 同浄水場では、場内に降った雨水を昭和46年に布設した放流管(φ200~300)から約1km先にある信濃川の支流の一つの西川に放流しており、近年、マンガン系夾雑物が管の半分程度まで堆積して閉塞による放流水量の減少が起きていた。これにより、場内で雨水が溢れそうになっていたほか、放流ポンプに係る電力量の消費が増える問題を抱えていた。

 今回のデモ洗浄では、約1kmのうち場内の放流ポンプから続く90m(平成9年布設部分、全長の約8.5%)の範囲を対象に2t分の特殊アイスシャーベットを約10分かけて注入。10分間の洗浄を行い、夾雑物の除去効果を検証した。その後の経過観察で、10%弱の流量改善効果があったと報告があった。

 注入から排出までの工程を見学した参加者からは「逆洗のほうが汚れは落ちやすいのでは」など、アイスピグ洗浄の仕組みや効果に関連する質問が多く寄せられた。


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