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業界内外から新技術提案 水道ICT情報会、横浜で盛況に マイクリップに追加

最新の技術に全国から多数の参加

 水道ICT情報連絡会は6月27日、横浜市内で第6回情報連絡会を開催し、デジタル技術を用いた現場課題への改善策がプレゼンテーションやパネル展示を通じて提案された。会場には同会参加事業体職員や企業等から260人以上が参加。従来水道事業には直接携わっていない企業を含む幅広い分野からの技術・サービスに注目し、直接の対話で知見を深めた。またプレゼンテーションはYouTubeによるオンライン配信も行われ、全国関係者が聴講。最大同時接続数は100を優に超えた。来年度は東京都で開く。

 同会はICTの水道事業への活用を推進するため、東京都・横浜市・大阪市の連携で設立。以降、参加事業体数を22まで伸ばし、全国の給水人口の約4割を占める規模となっている。会のホームページを通じて、参加事業体が課題やニーズを提示し、企業からの提案を通年で受け付けているほか、年に1度、企業からの発表等を行う情報連絡会を3都市の持ち回りで開いている。会を通じた導入実績も生まれているほか、導入に向けて試行・実証実験中の案件も複数ある。

 今回の情報連絡会に向けた募集、選考を経て、当日は13のプレゼンテーションがあったほか、17者によるパネル展示も行われ、盛況を博した。

 開催地を代表してあいさつした横浜市の山岡秀一水道局長は、ICTの活用、DXの推進は限られた経営資源で多くの課題に対応していくに当たり有効な手段だとし、民間企業とともに取り組んでいく必要があるとの考えを述べ、会が有意義なものとなるよう望んだ。その後、各社がプレゼンを行った。

 ニシヤマが工事現場での安全管理に向けた生成AIの活用について紹介。水道事業者と協力したシステムのブラッシュアップに意欲を示した。

 日本ウォーターソリューションは検針に合わせて効率的な漏水調査がかなう時間積分式漏水発見器を紹介。管路管理面のメリットもPRした。

 日立製作所は同社の水事業に対する知見を掛け合わせた水道標準プラットフォーム準拠「Connective OS」の特長とDX推進に対する視点を披露した。

 管総研は管路更新を推進する観点から、舗装本復旧業務の効率化・省力化技術を紹介。レーザースキャナーでの点群測量などを軸としたもの。

 オートデスクは高度な配水管理と更新投資の合理化を図る3Dモデリングソフトウェアについて紹介。海外での導入実績も示した。

 ジャパン・トゥエンティワンは安全性が確保された溶剤注入により管路の穴やひび割れをコーティングするという海外発の非開削の漏水修繕技術を紹介した。

 ノヴェルバリューテクノロジーとウィットシステムズは、共同開発でのIoTによる状態監視技術と相関抽出法を組み合わせた回転設備のプロアクティブ保全のソリューションを説明した。

 フジテコムは「デジタル漏水管理」にかかる総合的ソリューションを紹介。ニーズの高い中大口径管に対するAIを活用した漏水検知技術について披露した。

 TRUSTDOCKはスマートメーターを活用した営業実態確認サービスによる社会貢献と収益確保策の可能性をPR。実装に向けた水道事業体の協力を仰いだ。

 クボタは管路の維持管理から更新までを効率化する総合管理システムを紹介。現場作業の合理化や技術力不足への支援、投資合理化と事故予防保全などを網羅する。

 コアはGPSに強みがあるとして、高精度GNSSとAR技術を組み合わせたサービスによる管路や付属設備にかかる点検作業の効率化をPR。

 東亜グラウト工業はホワイトボックスによるAIを用いた、管路更新計画の最適化を図るサービスを紹介。リスクへの費用対効果を最大化させるものと強調した。

 ソラコムはIoT通信に特化した通信会社。機器が通信を行うのに最適な回線プランと役立つ機能を豊富に取り揃えていると紹介した。

 パネル展示を行ったのは▽コア▽管総研▽クボタ▽三井情報▽東亜グラウト工業▽ジャパン・トゥエンティワン▽SSKファシリティーズ▽東京ガスネットワーク▽日本水中ロボット調査清掃協会▽日立製作所▽日立システムズ▽ニシヤマ▽ソラコム▽フジテコム▽TRUSTDOCK▽ノヴェルバリューテクノロジー、ウィットシステムズ▽オートデスク


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