回転防止機能付き不断水分岐を開発 コスモ工機、岡山市と共同で マイクリップに追加
コスモ工機はこのほど、岡山市水道局との共同研究にて水道配水用ポリエチレン管用不断水分岐割T字管(回転防止付き)を開発した。岡山市水道局では、耐震性能を有する水道配水用ポリエチレン管の採用範囲を拡大しており、その管路に使用する割T字管には耐震性能が求められた。
また、近年の豪雨災害等により、管路が露出する事例が多数報告されている。露出した管路に割T字管があり、宙吊り状態になった場合、割T字管が回転し、穿孔口を塞いで通水を妨げてしまうことが懸念されることから、割T字管には回転防止機能が求められた。これら2点の課題に対応するため、新たな割T字管が開発された。
今回開発された割T字管は、分岐接続に、従来主流だったフランジ接続ではなく、フランジレス構造を採用。これにより地震時の漏水リスクを軽減した。
また、水道配水用ポリエチレン管に直接融着接合するためのポリエチレン管挿し口付短管を新たに開発し、耐震性能を確保した。回転防止機能については、割T字管本体の内面に突起を設け、ボルトを締付けることで突起がポリエチレン管に食い込み、回転を防止する構造とした。
配水用ポリエチレンパイプシステム協会(POLITEC)は、昨年度初め、新たに同協会規格「PTC G31」に「回転防止性能」の基準を追加した。同協会の助言のもと開発に努め、昨年度末に新基準へ適合する製品を完成させた。製品ラインナップとしては本管呼び径150を先行しており、本管呼び径50~100を順次拡充する予定。
今年3月には、岡山市南区築港内で今回開発した割T字管呼び径150×150の試験施工を行った。従来の割T字管より施工性が向上しており、短時間で施工を完了した。
また、今年10月29~31日に広島で開催された日本水道協会の水道研究発表会では、岡山市水道局およびコスモ工機がそれぞれ研究成果を発表し、高い注目を集めた。


