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2024年25日 (月) 版

連携、対応手順などを確認 日水協 兵庫県支部・関西地方支部合同災害訓練 マイクリップに追加

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  • 災害時応急浄水訓練
  • 水道管路応急復旧訓練
  • kintoneを活用した給水状況の把握
  • 西宮市が応急給水設備事業を紹介

 兵庫県企業庁と西宮市はこのほど、日本水道協会関西地方支部(大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山)と合同で令和5年度の「日本水道協会兵庫県支部・関西地方支部合同災害訓練」を開催した。

 同庁と日水協兵庫県支部は毎年合同で、兵庫県内の水道事業者を対象に「水道災害に備えた実務訓練」を実施している。今年度は、日水協関西地方支部の訓練を兵庫県支部が担当するとともに、県内外との連携強化を図れることから、関西地方支部と合同で開催することとし、情報伝達訓練と応急給水訓練を実施した。

 情報伝達訓練は、11月30日に38の事業体が参加し、兵庫県水道災害相互応援に関する協定および日水協関西地方支部災害時相互応援に関する協定による、応援受援体制の確認や連絡調整を電子メール等を活用し行われた。

 応急給水訓練は、12月1日に当日まで詳細が開示されないブラインド方式で行われ、46事業体から171人が参加し、兵庫県阪神南広域災害拠点を被災自治体災害対策本部に見立てて訓練が行われた。

 併せて、西宮市上下水道局と災害時応援協定を締結している第一環境、フソウ、大成機工も訓練に参加した。

 訓練開始に当たり、開催市を代表してあいさつに立った西宮市の青山弘上下水道事業管理者は「過去に聞いた『危機管理の極意は想像と準備に尽きる』という言葉が印象に残っている。事故を想像して備えを整えることが、訓練の備えを確かめることにつながると思う」と述べた。

 開会宣言に立った大阪市水道局の高林雅美危機管理担当課長は「近年の自然災害に伴う断水被害に立ち向かうには、緊密な連携が不可欠だと考える。関西地方支部内の複数自治体が一堂に会するため、各協定やこれまでの取組みなどの実行性を確認できるまたとない機会」だと話し、より一層の連携強化に期待を込めた。

 応急給水訓練では、西宮市が阪神水道企業団から受水している配水管が破損・断水した想定で、参加事業体と第一環境からの給水車30台が浄水場など7拠点で給水車への補水訓練や、応急給水拠点に設置している優先給水施設の受水槽への補水給水訓練などに取り組んだ。

 今回からの新たな試みとして、業務効率化を図るクラウドサービス〝kintone〟を活用して神戸市が作成した報告ツールによる情報共有訓練を給水車乗務員に対して実施。災害対策本部での被害把握や応急給水指揮命令と合わせて、各支部の給水車に積載されている水量が補水・給水した時点でリアルタイム把握できるようにする取組みを試験的に導入した。従来の紙ベースと比較しながら、使い勝手や本部の情報収集の違いなどを確認した。

 また、災害時に活躍する技術をテーマに参加事業体すべてを対象とした講演やデモンストレーションを行った。西宮市は「発災時応急給水設備事業」の紹介として、学校受水槽応急給水に関する講演を説明VTRを交えて実施。フソウは「災害時応急浄水訓練」として、災害対策用浄水器を用いた応急給水用の水(無菌水)の生成について紹介した。大成機工は「水道管路応急復旧訓練」として、鋼板製カバージョイントを使用した漏水修繕方法を実演した。


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