日本初の超音波式スマメ 東洋計器、計測部・通信部を一体化 マイクリップに追加
東洋計器(本社=松本市)は9月6日、国内で初めてとなる計測部と通信部を完全一体化した超音波式水道スマートメーター「AXs(アックス)」を開発したと発表した。
今月からの量産化を計画しており、出荷予定数は初年度3000台、以降、年数万台の出荷を見込む。9~11日に神戸市で開催される水道展に出展するとともに、10日午前には同市で開催される水道研究発表会にて発表する。
超音波式メーターは、管内の流速によって超音波の伝搬時間が変化することを利用して流量を積算するもの。可動部がなく耐久性に優れており、部品数を減らしたコンパクトなメーター開発が可能となる。
通信部分は、LP業界等で約400万台の実績がある同社の「IoT―R」と同一のLTE Cat.M1方式。従来は、電子式水道メーターにIoT―Rを接続して自動検針等を行っていたが、今回、計測部と通信部を完全に一体化したことでトータルコストを抑え、通信線との施工作業も不要となった。
製品名のアックスには、アクア事業「A」を大きく変革させる「X=トランスフォーメーション」と小さくスマートなメーター「s」の意味を込める。水道事業の抜本的改革と省力化のため、メーターのスマート化が各地で進みつつある中、メーターの新たなニーズに対応するため開発したという。
AXsの全長は乾式メーターと同じで、全高・全幅を小型化。1台当たりの重量は0.9kgと電子式水道メーターの重量(約2.0kg)の約2分の1まで削減している。銅合金の使用量も約3分の1に削減しており、水道メーターの主要部品である銅ケースの生産に伴い発生するCO2排出量も、大幅に削減している。
同社は、今後、AXsを年間数十万台に増産する予定で、2022年に新設した第5工場に量産化ラインを設置する準備を進めているという。
口径は、20mmおよび25mm。