穴水町での耐震補強実証も 7年度ABーCross、対象5事業を採択 マイクリップに追加
国土交通省は、令和7年度「上下水道一体革新的技術実証事業」(ABーCross)で実施する実規模実証とFS調査(導入可能性調査)の対象5事業を採択した。実規模実証は「ダウンサイジング可能な技術」と「効率的な耐震化技術」、FS調査は「業務の効率化・省人化に資する技術」をテーマに公募した。
採択事業は次の通り。
【実規模実証】
《ダウンサイジング可能な技術》①好気性グラニュールによるダウンサイジング可能な下水処理技術(実施者=メタウォーター・日本下水道事業団・宮城県共同研究体)
《効率的な耐震化技術》②補強金具による非耐震ダクタイル鋳鉄管路の耐震補強の実証事業(実施者=大成機工・NJS・穴水町共同研究体)
【FS調査】
《業務の効率化・省人化に資する技術》③中大口径管内表面状態評価技術(実施者=シャープ・カンツール共同研究体)④浄水場ビッグデータを活用したかび臭濃度予測ソフトの開発に関する調査事業(実施者=前澤工業・中央大学・北海道科学大学共同研究体)⑤加速度計による衝撃応答計測・微動計測技術を用いた水管橋の点検効率化および高度化実証事業(実施者=日水コン・構造計画研究所・鳥取大学・神戸市共同研究体)
このうち②では、更新順序が先送りになる箇所の早期対策に寄与するため、耐震補強金具と耐震継ぎ輪の組合せによる耐震補強方法を実運用管(基幹管路φ500mm)で実証する。
④では、かび臭物質を含む数項目の原水水質データを用いたLSTM(機械学習)によって3時間後のかび臭濃度を常時予測できるソフトを開発するとともに、予測値の活用方法を調査する。
⑤では、現状の水管橋に対して加速度センサによる衝撃応答計測・常時微動計測の現地計測と室内模擬モデル試験を実施するとともに、解析結果との整合等も分析し、安全性を損なうおそれのある劣化グレードに対応した損傷範囲を算出する。定量的な判断基準を作成することにより、実際の維持管理・点検作業に円滑に導入できる合理的な技術を研究する。