地盤変状への設計検討 POLITEC、2月に30周年式典 マイクリップに追加
配水用ポリエチレンパイプシステム協会(POLITEC、会長=髙山純クボタケミックス社長)は5月14日、都内で令和7年度定例総会を開催。今年度も、事業体のニーズに合わせて技術講習会を開催するなどして、HPPE管の長寿命性、耐震性、経済性等のアピールに努める。来年2月には、POLITEC創立30周年記念式典を開催予定。
冒頭、髙山会長は「HPPE管は、日本水道協会の口径200mm以下の検査実績において50%を超えており、配水管の主要管種としての位置付けを示している。水道分野において、管路の耐震化や老朽化対策に対して非常に大きな注目が集まる中、POLITECとしてもさらなる需要拡大に努める。昨年度初開催となった『レベルアップ講習会』についても、施工会社の一層の施工品質向上のため、今年度から本格開催する」とあいさつした。
昨年度は、令和6年能登半島地震を受け、第3次となる「HPPE管耐震性評価検討委員会」を立ち上げ、大規模な地盤変位による管路破損に関する現地調査を実施。その直前となる一昨年12月に改訂した「水道配水用ポリエチレン管の耐震設計の手引き」において、地震動以外の検討要素として地盤変状に関する内容が継続課題となっていたことも踏まえ、地盤変状(一方向ずれ)に対する設計基準と限界性能値を技術報告書(耐震設計ガイドライン)として取りまとめる予定。
今年3月28日には、国土交通省が策定した「上下水道DX技術カタログ」にPOLITECの「HPPE管用施工情報管理システム技術」が掲載された。
令和6年度においてHPPE管に関し新規採用・本格採用・口径拡大・限定試験採用を行った事業体は69あり、採用事業体も1000を超えている。
昨年度、福岡市で開催した水道講演会は、参加者が約180人となった。
技術講習会は48事業体で1294人を対象に開催し参加者は前年度比178人増、施工講習会は37事業体で1870人を対象に開催し参加者は前年度比245人増となった。受講証発行総数は6万13人となった。
施工講習会受講者を対象とした「レベルアップ講習会」は、昨年度、宮崎県木城町で初めて開催した。役員改選では、理事にコスモ工機の杉田充執行役員担当部長が、理事・監事に前澤給装工業の三門泰輔執行役員東日本担当兼設備営業部担当が新たに就任した。
今年度は、国の耐震化やDX加速化の動きに対応した普及促進活動に努める。能登半島地震で仮設配管としてHPPE管が採用されたことが注目されたことも踏まえる。
スクイズオフ(圧着止水)工法に関し口径150の要望が高まっていることに対し、年度内の完成を目指す。関連した新工法(メカニカル式補強バンド)の規格化も検討する。
昨年度から改訂作業を進めている「水道配水用ポリエチレン管及び管継手 維持管理マニュアル」は7月に発行予定。
水道講演会は、12月に大阪市内で開催予定。
30周年記念式典は、来年2月5日に都内で開催予定。
