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郵便局と連携し水道検針 総務省、全国初の実証を青森市で開始 マイクリップに追加

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  • 郵便局員らの出発を見送る一同
  • 関係者が並んでテープカット

 総務省は1日、「郵便局等の公的地域基盤連携推進事業」の一つである「ドライブ・バイを活用した配達車両による寒冷地でのスマート水道検針」に関する実証事業の実施を開始した。開始に当たり同日、青森市役所でセレモニーが催された。

 同省では、デジタル社会進展への対応や人口減少等に伴う地域課題の解決に向けて「郵便局等の公的地域基盤連携推進事業」を令和4年度より実施している。デジタル技術と全国2万4000局に及ぶ郵便局ネットワークの活用や、郵便局と地域の公的基盤が連携して課題を解決するための実証実験を行いモデルケースを全国展開することを目的としており、本実証事業はその一環となる。

スマート水道メーター(右)と無線親機、専用アプリを搭載した端末

 ドライブ・バイとは、無線親機を携帯した車両で住宅街を通過し、自動的に検針値を取得、収集できる仕組みのこと。同事業では、集配業務を担当する郵便局員が、センサーにより水道使用量のデータを収集できる配達車両で、積雪の多い寒冷地である青森市内の一部区域(幸畑地区・大野地区・桜川地区内)を走行し、約200世帯を対象にスマート水道検針の実証を行う。

 郵便局ネットワークを活用できれば、検針に係る人的負担の軽減や、目視で検針値を読み取れない場所・状況下での検針が可能となることによる検針の省力化・効率化が期待できる。

 実施期間は、令和6年10月1日~31日および令和7年1月15日~2月28日を予定。郵便局の配達車両によるスマート水道検針の実証は全国初となる。

 セレモニーでは総務省の藤田和重東北総合通信局長があいさつに立ち、同事業について概説。全国的な課題としての検針員の高齢化・担い手不足や、積雪等で検針員による検針が困難な状況を挙げ、住民の利便性を向上させ、検針の省力化・効率化を図る観点から、正確な使用量を適時把握し漏水等の状況を確認することの重要性を強調した。その上で、郵便局ネットワークの強みが地域課題の解決に貢献することへの期待を示した。

 続いてあいさつした西秀記青森市長は、実証フィールドとして青森市が選定されたことに謝意を表明。郵便局と連携した事業が全国初であることに触れ、市として光栄である旨を述べたほか、日本郵便のこれまでの尽力に対して敬意を表した。

 また西市長は、青森市が全国の県庁所在地で唯一全域が特別豪雪地帯に指定されていることを紹介。同市で実証が行われることを非常に有意義だと語り、同市での実証事業による成果が、同様の寒冷地や、検針に関して問題を抱える他の地域の課題解決に寄与することを祈念するとともに、郵便局ネットワークを活用した新たな展開の可能性が広がることへの期待感を示した。

 日本郵便の小野木喜恵子常務執行役員・東北支社長は、同事業を通じて地域との連携を深め、住民が安心して生活できる地域作りに貢献していきたいと意欲を示した。


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