宮城県、DXセミナーを初開催 20社が最新技術披露 マイクリップに追加
宮城県土木部は11月20日、夢メッセみやぎ西館展示場で「宮城県水道DXセミナー」を開催した。上下水道の最新技術や知見を有する20社が出展し、県内をはじめ、東北地方の上下水道事業体職員およそ280人が来場した。
同セミナーは最新のDX技術・W―PPPの動向を紹介することを目的としたもので、県内事業体における需要の高まりを受け、宮城県としては初開催となった。会場には出展事業者ブースをはじめとして、さまざまなコンテンツが用意され、最新の技術や知見が共有された。
オープニングセレモニーであいさつに立った宮城県土木部の鈴木光晴副部長は、持続可能となるような経営改善につながる取組みである新技術を活用した業務の効率化やW―PPPなどについて、技術や知見を持つ20社の協力を得たことによりセミナーを開催することができたとし、「宮城県では、今後も市町村等の水道・下水道事業の基盤強化に向けて、手間とコストが軽減できるような委託事業の共同発注などの広域的な取組みを展開していく」と述べ、県の役割を果たしていく方針を示した。
会場には、それぞれの企業が最新の技術や製品等を紹介する出展事業者ブースをはじめ、出展事業者がプレゼンテーションを通じて新技術を紹介する特設コーナー、出展事業者との個別相談ブースが設置された。
出展事業者ブース20社(19ブース)の事業者と主な出展内容は以下の通り。
NTT ME、NTTインフラネット=手書き書類等の文字読取を行う「AIよみと~る」▽NTTデータ東北=BIツールを活用したオープンデータプラットフォーム▽JECC=水道標準プラットフォーム、簡易台帳アプリケーション▽日本電気=NEC水道窓口クラウドサービス▽日立製作所=遠隔監視で漏水調査業務の効率化を支援する「漏水監視サービス」▽ジャパン・トゥエンティワン=衛星漏水調査、音調調査管理支援アプリ▽東亜グラウト工業=水道管路大口径距離漏水調査技術「フローライダー/スマートボール」▽管清工業=下水道管路施設の維持管理情報を一元化するデータベースシステム▽クボタ=管路の設計・施工、維持管理業務のDX支援、WーPPPの取組▽フソウ=点群データなどBIM/CIM関連技術を用いた水インフラ施設の見える化▽前田建設工業=WーPPP、水道事業に関する官民連携事業の事業化▽メタウォーター=ウォータービジネスクラウド(WBC)▽建設技術研究所=効率的な雨天時浸入水調査、水災害リスクマッピングシステム▽東京設計事務所=WーPPPに関する取組▽NJS=産業用水中ドローン「WATERi FF1」▽日水コン=クラウド型システムを用いた管路・設備管理、新たな官×民連携モデル事業▽積水化学工業=水道配水用・給水用ポリエチレン管を用いた耐震化・長寿命化▽東北電力ネットワーク=電力スマートメーターネットワークを活用した共同検針の取組▽東洋計器=超音波スマート水道メーター「AXs」
参加した県内事業体職員からは「予算の兼ね合いもあり、導入できるかは分からないが、新しい技術やシステムを理解することができたので、業務の見直しを検討したい」「人手不足はついてくるものなので、本日の展示内容を参考に、AIなどを活用して業務の効率化を進めていきたい」といった声が寄せられた。